「レディ・バード」ボケ状態だった

7時前起き。
朝飯に鯖のみりん干し、納豆。
父、来週右目の治療をするとのこと。以前から加齢性黄斑だった。母、そのことで先生から聞いたことをわーっとしゃべっていた。父本人がどう思っているのか聞きたかったので、母のしゃべりが止まった隙に聞いた。視力が落ちたわけではなく、視野の真ん中に影ができて見えなくなっているとのこと。つまり、10年以上前と変わらない。この機会にレンズのメンテナンスをするようなものだろう。

7時半過ぎに家を出る。東西線はまあまあ混んでいた。つまり、東西線基準でいうと大変空いていた。

朝からずっと「レディ・バード」ボケだった。
車中、スマホで関連記事を検索し、昨夜の感動を追体験した。
お母さん役のローリー・メトカーフが、演技力という意味ですこぶる巧かった。冒頭の、スタインベックの朗読テープに感動しているところから母娘喧嘩に至る芝居や、同僚にプレゼントを渡すところの芝居が、流れるようだった。
母娘関係の描き方がリアルすぎて、自分が親戚になったような気がした。
ミュージカルのオーディション場面で、気合い入れて歌うレディ・バードが笑えた。
神父さんが演技を教える場面が楽しそうだった。
感情表現のトレーニングで、神父さんが真っ先に泣いてしまうのが可笑しかった。それに気づくレディ・バードの表情も絶妙だった。
神父さんの後任となった先生に演劇の経験がなく、アメフトコーチ経験を生かして演出する場面が笑えた。
レディ・バードがドレスを試着する場面で、青っぽいのがキツキツのため、後ろ姿が普通の子っぽくぼてっとしてるのが良かった。
別のドレスに着替えて試着室から出てくる時、気に入ったのか、母にニンマリしながら出てくるのが可愛かった。
NYで大学生となったレディ・バードが、新入生の男の子とキスした直後に吐く場面が笑えた。吐く時の声が「うえええっ!」って感じで、実に良かった。体当たりでも何でもなく、これは普通の芝居だが、そうこなくっちゃと思った。
その後、ぐったりとして救急車に運ばれ、急性アル中毒で入院し、起きたらメークが落ちて目にパンダみたいな隈ができて……という流れは、まあ言ってみれば鉄板だから「なるほどね」と見ていたのだが、その日が日曜と知ってから、ラストまでの流れは、ほんとうに素晴らしかった。思い出すだけで体温が上がった。

見られたのは運が良かった。Amazon Primeでの公開は明後日までだったのだ

8時半過ぎ、西新宿着。コンビニのイートインで『ペスト』を読んだ。

午前中、仕事をしながら「レディ・バード」のことを考えた。いや、「レディ・バード」のことを考えて、表向きは仕事をしているフリをしていたのかしれない。

昼、『陣家私菜』でよだれ鶏を食べた。かつては一日20食限定メニューだったが、今はレギュラーメニューとして一番人気らしい。そらそうよ。ここのよだれ鶏はタレが旨い。油が手加減なしにたっぷり使われているところがポイントだ。あと、刻んだパクチーがアクセントになっている。
店員さんの接客が前よりも丁寧になっていた。四年前はみんな日本語が片言で無表情に接客していた。そのぞんざいさ、おれは必ずしも嫌いではなかったが、一人だけ愛想の良い店員さんがいた。『ドラゴンボール』の、人造人間19号に似た、福々しい女性だった。18号ではなく19号。お客様にもドクター・ゲロと同じ態度をとれとプログラミングされた19号。

午後、検索について、データの格納方法からしてこのままだと無理と結論し、ボスに報告した。来週また相談させてくれと言われた。

暖かかった。そして、夕方5時半になっても外は明るかった。

7時帰宅。夕食に親子丼を作って食べた。蓋のサイズ、やはり合ったものが欲しいと思った。

「レディ・バード」また見た。
いっそ明日までループ再生しようかと思うが、さすがにそれは病的なのでやめる。

10時過ぎ就寝。