ぶっちゅっちゅの映画

6時半起き。10時間寝た。
旧知の役者と芝居に出る夢を見た。なぜか打ち上げらしき席で一人芝居をすることになる。例によってノープランで臨まなくてはならなかった。出来は50点くらいだった。失敗でもなく成功でもないと思いつつ、知り合いの役者がどう思っているか気になる、という内容だった。

朝飯にバナナのみ食べた。今日は減塩日。朝と夜は塩断ち。

スタディサプリやる。

雨だった。井の頭線に乗る。ガラガラだった。

午前中、日常作業とツール作業。
辞める予定の新人さん来ていたが、仕事がなくて暇そうにしていた。そういう時間を作らないようにしないと、次に来る人も辞める可能性が高い。

昼、『山田屋』でラーメン大盛り。海の家で食べる醤油ラーメンの味がした。

島崎藤村『破戒』読む。図書館が連休明けまで休館になり、読む本がなくなってしまったため、今朝本棚をざっと見て手に取った。この本は高校二年の終わり頃に読んで以来たぶん一度も読み返していない。

当時わたしは江戸川区に巣くうバカセブンティーンのひとりであった。書かれている主題を人生や社会と結びつけて考えるには、知力と経験値が宇宙的に足りなかった。ドラクエでいえば、やっとこさ『どうのつるぎ』を手に入れたところなのに、『ぬののふく』を着たまんま、キラーマシンにタイマンを挑むようなものだった。気がつけば教会だ。おれ何してたっけ? そうだ、ドラクエやってたんだ! ラリホー!

そして今朝、長いラリホーから目が覚めたわけだ。しかし、愚かな高校生なりに作品からは強い印象を受けたようで、再読をしてみると初めて読むという気はしなかった。詳細を記憶しているのではなく、場面すべてが一つの印象となった感じで覚えている。

その印象を、昆虫レベルの国語力しかなかった当時のわたしが言語化するのは無理だったろう。そして、いい点数というのは、得てして、うまく言語化できたものに対して与えられる。

しかし、そんなの、いい口説き文句を思いつけたのと同じだぜ。おれは『破戒』に対していい口説き文句を思いつけなかったけど、今でも、忘れてないよお前のこと。だから、そんな新潮文庫の背表紙なんか脱いじゃいなよ。

午後、依頼仕事やる。今やらなくてもいいと言われそうだったが、やれそうだったのでダッシュでやった。ツール作業は、とうとう出力の仕組みを考えるところまで到達した。こいつが完成すれば、大まかな機能についてはすべてテスト待ちの状態になる。問題は、いつからテストができるかだが。

キッチンコートでバナナとサツマイモ、あんパンなどを買って帰宅。
夕食に、それらの塩気なし食品を食べた。

『破戒』読む。丑松が、退職教師の敬之進と居酒屋で飲む場面まで。あれ? この場面と、そして敬之進の愚痴に、なんか覚えがあるぞ?
『罪と罰』のマルメラードフだ。かみさんや子供たちの感じと、それを眺める丑松という構図がそっくりだ。
気になってWikipediaで『破戒』を検索すると、やはり、『罪と罰』に構成が似ているという評価はあったらしい。

「ザ・ホスト 美しき侵略者」見た。シアーシャ・ローナン主演。
地球人のほとんどが、宇宙からきた寄生生物に体を乗っ取られたという設定のSF映画だった。
シアーシャは、乗っ取られながらも体の中で本人は生きているという女の子を演じた。本人がメラニーで、乗っ取ったのがワンダ。前半は、ワンダがメラニーに意志を強制される場面があり、乗っ取った側が乗っ取られたみたいで面白かった。
中盤、生き残った地球人たちのアジトに匿われてからは、かつての恋人やら何やらが出てきて、メラニーが好きなのは前の彼氏だけど、ワンダは別な人が好きになってしまうという、考えようによっては面白くなりうる展開になった。だが、出てくるイケメン俳優とのキスシーンばっかり続くのは、SFとしていかがなものかと思った。
だってよお、上演時間2時間のうち1時間経過してから30分あまり、ずーっと、ぶっちゅっちゅだもの。おいおい時間ねーぞ? と思いますわよそりゃ。
後半30分で、物語は一応平和的解決に向かうが、設定を消化しきれず無理矢理終わった感があった。起承転結の「転」のところで、延々ぶっちゅっちゅしてるからだ。

にも関わらず、シアーシャ・ローナンの演技はすごく良かった。多彩な感情表現に魅せられた。ラストで、ワンダがメラニーに体を返し、自分は死のうとするところの表情など、アップだけが続いたが、見事に成り立たせていた。あれはすごい。