早く終わっても暇になるだけ

4時起き。ブログを書き、たまった段ボールとペットボトルをゴミ集積所に出した。

朝飯に、お粥、ソーセージ、瓜のぬか漬け。

トマトの収穫をする。赤くなったものを11個。だいぶ小さくなったが、ここ数日はいい天気だったので裂けたものはなかった。
摘み取りながら花を見て回る。着果したものはなく、地面に落ちたりしなびたりしていた。水をバケツ3杯分補給した。

8時40分に家を出る。自転車で現場へ。
運転している時、お先にどうぞと譲れる気持ちになっていた。ゆとりができていた。音を沢山浴びたおかげだと思いたい。でないと音楽に意味はない。
『バスターのバラード』を思い出した。決闘であっけなく敗れたバスターが天国に向かいながらあの世について思いをはせる場面。バスターは語る。空の向こうにはきっと人が卑劣じゃなくてインチキのない世界があるはずだ、でないと歌には意味がない、と。
音楽もまたそういうものだ。そして音楽がそういうものだということをわざわざ説明する必要もない。説明してしまうのは自明でないと感じるからだし、そういう人はまだ音楽と出会えていないのだろう。言うまでもなく、聞けばいつか必ず出会える。

ゆっくりこいだのに37分という早さで現場に着いた。SQLの勉強を少しした。

午前中、アリー氏からのメールを確認する。昨日、節子の婚約者がやらかしたとのこと。調べると前回のやらかしと同じだった。オレは身元引受人みたいな立場だったので、アリー氏に報告しに行った。
「まだ奴は改心しとらんのですよ」
「そうですか」とアリー氏。オレは質問した。
「奴のボス、昨日来ましたか?」
「来ない日だったんですよ」
「なら、ボスが来てから、でしょうね」
現状を伝えて終わった。ついでに明日の午前中、現場に来る時間を遅らせる件を伝えた。今月は健康診断があり歯の治療がある。メンテナンスのラッシュだ。

ゴッド氏ツールは最終目的のフォーマットに対応させた。基本の出力機能が出来ているので振り分けをするだけだった。

これでまた暇になった。

「すいません、仕事終わったんですけど」
「またお前かい。今度ぁどのプールに行きたいってんだい?」
「いえ、昨今の事情を鑑みれば、大人の私が暇に任せて屋外プールでジャバジャバやるなんざ、予約待ちのパパママチルドレンに申しわけがたちません」
「そりゃそうだよ。お前さんもやっとものの道理がわかってきたかい」
「で、ものは相談なんすけどね」
「なんだい」
「仕事が早く終わった時間の分を、インセンティブにしてくれませんか」
「契約にない報酬は払えないよ」

などなど、頭の中で旦那だか、ご隠居だかと会話をしているうちに昼になり、鯖の缶詰とオニオンサラダを食べた。

「現金じゃなくて結構です」
「じゃあなんだい」
「1時間早く終わったらその半分の時間だけ、銭湯に行かしてもらいてえんです」
「なに? 風呂?」
「はい」
「それじゃプールと変わらないじゃないか」
「だいぶ違います。あっちは冷たいけどこっちはあったけえし」
「湯冷めすりゃ同じことだろ。漬かるってのは同じだ」
「駄目ですかい?」
「駄目だね。いいかいお前、仕事の最中には仕事にどっぷり浸かるってのが大人ってえもんだ。第一、風呂なんて、一日の仕事が終わってゆっくり入った方が気持ちいいだろう」
「ですから一日の仕事がもう終わってしまったんで」

とかなんとか、頭の中でひとりで会話をしているうちに夕方になった。

6時15分に神田の歯医者へ。予約時間は7時だったのに6時半だと思いこんでいた。しかも早めに着いてしまった。受付美女さんに「待ちます」と伝え、ハイデガー『存在と時間』の序論を読んでいると、6時半に名前を呼ばれ、いつものルッカ先生ではない先生に診てもらうことになった。
診てもらうといっても仮歯を外して型どりをするだけだった。その先生は「口をあけてください」と言う代わりに「あー」と言った。ぞれで通じた。

地下鉄で帰る。いなげやに寄り、バゲット、さば水煮缶、玉ねぎ、ハッピーターン、ビスコ買う。

8時帰宅。夕食に、ホッドドッグ、フルーツグラノーラと豆乳。

GLIM SPANKYのアルバムをAmazon Music で聞いた。ロック的な育ちの良さがうかがえる音楽だった。フジロックで『僕の好きな先生』を歌っているのを聞いて興味を持ったため、そのステージの前にFIELD OF HEAVEN ステージに出ていたのは見ていなかった。もったいないけどそうそういうものだ。清志郎ステージで歌い終わり下手にはけた時、バックステージからものすごい拍手の音が聞こえた。共演者やスタッフ達かと思ったが、何となくその音の響き方から、おじさんたちが拍手しているように感じた。ロック好きおじさんたちだったら、松尾レミさんのことは、もう絶対、好きにならずにはいられないたろう。デレッデレ、だろう。

ライブチケットの抽選を予約した。とれっかなあ。