甘えない人と甘える人

4時起き。
1時間書き作業。
入浴。汗流し。
朝飯に、ご飯、トマト卵炒め、わかめと豆腐の味噌汁、大根のぬか漬け。
昨年1月に仕込んで今週から使い始めた自家製味噌は、今まで造ったものよりも味噌の香りがしっかりと立っている。美味しい。

自転車で現場へ。暖かくなったような気がする。

午前中、昨日に続いて作業しつつメール送信。電子メールってすごいや、というセリフを心の中でつぶやきながら。

昼、司馬遼太郎『酔って候』読む。
『竜馬がゆく』に始まり、『坂の上の雲』で終わる維新サーガの外伝みたいな短編集。タイトルが示す人物は土佐の山内容堂。他に、島津久光、伊達宗城、鍋島閑叟。
容堂は昭和の小劇場役者みたいだと思った。頭はいいのだが、理念が正しいかどうかよりも、それが詩想を膨らませ得るものかどうかを本能的に判別しているようだ。役者に例えると、詩とは芝居であろう。幕末の夜をゴールデン街に見立てるといい。武市半平太は劇団土佐のプロデューサーだ。竜馬もプロデューサーだが、彼は劇団薩摩や長州の役者を使った外部公演に忙しい。
鍋島閑叟は、搭乗する殿様たちの中では一番の傑物だろう。全然知らなかった。

午後、仕事量の多さに目まいを起こしそうになるが、よくよく見ると量としては大したことなかった。一つ一つ淡々と作っていけば解決できる。

夕方、西葛西へ。カルディでチョコレートとクッキー買う。

6時半実家帰宅。
夕食に、レバニラ炒め、イカと里芋の煮物。

母、台所でピーという発信音が聞こえるので、妹に電話して調べてくれるよう頼んだそうだ。すると、週一ペースで実家にやってくるオレに見てもらえと言われたらしい。
そのアラーム音は、ガスレンジをタイマーで消化したあと、ボタンを戻さなかったために鳴ったものだった。よくあることだ。結局自分で気がついたらしい。そのくらいで呼び出されたら、妹としてはたまったもんじゃないだろう。
妹に「耳が遠いのによく聞こえるね」と言われたらしく、母は怒っていた。しかし、母が怒っているのは、様子を見るために妹が全然実家に来てくれないことへの不満である。心配してくれないことへの怒りである。つまり甘えである。
だが、妹はそういう甘えを切り捨てることで大人になり、自立してきた。それを母は理解していない。子供が生まれた時は母に面倒を見てもらっていたが、甘えではなかった。孫の可愛さを用いた両親の有効活用だった。
妹が両親に甘えた姿を見たことはない。大体、うちの家族は、親の方が子供より甘える傾向が強い。父がそうだったし母もそうだ。二人とも末っ子だ。
オレも、甘えたことはない。しかし甘やかされた記憶はある。この二つは違う。妹は甘やかされもしなかった。甘やかさなくても大丈夫な、手のかからない子供だと、両親は思っていたフシがある。
妹にとってそれは、特に文句を言うべきことではなかったのかもしれない。そういうものだと淡々と理解し、欲しいものがあれば自分の能力で手に入れる習慣を身につけ、人生を自分で決めた。そういう妹から見ると、今の母はだらしがないと映るのかもしれない。

8時半、旧江戸川へ行きシーバス釣り。雷公演から浦安橋にかけてランガンした。夕方5時台が干潮時刻で、それから3時間ほど経っていたが、潮位は低いままだった。流れがほとんどなく、水面は穏やかだった。当然ベイトも確認できず、ボイルもなかった。
よって、ボトムを中心にルアーを引くことにして、ダイソーワームを投げつつ、少しずつ浦安橋方面に移動した。
橋に近づくと、水面にボイルがあるように見えたので、しばらく観察したが、魚なのか鳥なのかわからなかった。ともあれ、少しは表面も狙ってみるかと思い、ルアーをエリア10に替えて投げてみたが、投げ始めた時にはもう水面は静まっており、対岸から鳥の鳴き声が盛んに聞こえてきた。ボイルに見えたのは鳥だったか、と思い、また底を狙うため、ルアーをローリングベイトに替えた。
浦安橋近くの柵のところから逆方向にランガンした。底をとってスローで引く。雷公演前のワンドにたどり着く前に、とうとう根掛かりをしてしまった。ここで、先日買ったルアー回収機の登場。ラインを張って、ロープウェーのように回収機を水中に送り込んだ。
しかし、根掛かりした場所は結構沖の方だったため、30メートルある回収機の糸が途中で足りなくなってしまった。結局届かず。回収機の性能を確かめることもできず。リーダー結節部分でラインは切れた。9時47分だった。納竿する。

帰宅し、PEラインにリーダーを結んでから、部屋の片付けをした。大量にある粗品タオルを袋から出して整理し、父が半世紀以上前に買った工具箱の中身を調べ、タイスの引き出しからいらないものを出した。
タンスの引き出しには、オレの服の他にはほとんどゴミ同然のものしか入っていなかった。タンスそのものはまだ使えるので、いったん空にしてリメイクしてみようかとおもったが、桐たんすではなく木材は安物だ。そういうタンスでもリメイク業者は受け付けてくれるだろうか。
部屋の場所をとっている電子ピアノは来月無料で引き取ってもらうことにした。捨てるのではなく修理して中古として売られていくようだ。また使われる運命なら粗大ゴミよりずっといい。

1時就寝。