中川の桟橋

朝は釣りに行かず。

自転車で東陽町の上州屋へ。途中、砂町の八幡通りを走った。子供の頃、そのあたりにトピレックというスケートリンクがあって、南砂町駅から向かう途中、たぶん八幡通りを横断したはずだ。風景に既視感を覚えた。

上州屋でサイレントアサシンの99Fと、メガバスのx-80を買った。

実家に帰ると母は出かけていた。

1時過ぎ、中川へシーバス釣りに行く。ジャーキングの練習がメイン。東西線鉄橋から新川の水門までランガンしたが、バイトはゼロだった。

葛西橋の北側には、鉄パイプで組まれた桟橋があった。個人所有なのか、無断に立ち入ったら警察に連絡すると書かれた板が入り口に張られていた。

小学生の頃、葛西橋の南側に木の桟橋があった。

友達がその桟橋で足を滑らせて、中川に落っこちたことがある。岸際で、桟橋につかまることができたため、溺れる心配はなかったが、我々は助けようとして、その友達が持っていた釣り竿を彼に伸ばした。ところが継ぎ竿だったので、それにつかまり這い上がろうとした彼は、竿がすっぽ抜けてしまったために再び川に落ちた。しかも竿のパーツは流されてしまった。

桟橋に足をかけた彼の手を我々は引っ張り、彼は岸に戻った。季節は11月の半ば頃。ずぶ濡れになった彼は、木枯らしに抱かれてブルブル震えながら「もう帰る」と言い、堤防の傾斜を登り始めた。

ところが、彼の川ボッチャンイベントなど意に介さず、川の水をバケツに入れて堤防の上から流す遊びにさっきから夢中になっているバカな奴がいた。彼はそいつの存在に気づかず、震える体を抱くようにして堤防を上り始めたのだが、奴は意に介さず、堤防の最上段からバケツの水を、彼の足元目掛けて流した。ザザーッ。

コンクリートの傾斜を上っていた彼は、上の方から突然流れてきた水のために足を滑らせた。そして、寒さのため体を抱くようにして歩いていたため、とっさのことに両手が間に合わず、思い切り顔面をコンクリートにぶつけた。

永久歯が折れた。彼は泣いた。そりゃそうだ。あれほど気の毒な目にあった人を、その後の人生でも見たことはない。

川に落ちてずぶ濡れになり、釣り竿をなくし、前歯を折るという散々な目に遭った彼は、翌日学校を休んだ。

その呪いの桟橋は、オレが高校生の頃にはもうなかった。いつ撤去されたのかはわからない。葛西橋の北に今もある桟橋は鉄パイプを使ったタフなものだった。過去何度かアップデートされたものではないかと思った。半世紀以上前から、『権利』を所持している人のものかもしれない。

5時半時頃に東西線鉄橋へ戻る。

6時前帰宅。

夜は『双葉』でとんかつと鰺フライ定食を食べた。

夜は帰らず実家に泊まる。疲れた。