ランカーシーバスふたたび

7時起き。

先週と同様、「波のアラベスク」の集中練習をする。毎日コツコツ練習がさぼりがちで困る。
しかし、全音階の部分を先週解説してもらい、そこは弾きやすくなった。他にもアラはたくさんあるが、一応最後まで通せるようにはなった。言うまでもなく脱線しまくりだが。

気がつくと9時40分だった。

稽古場へ。一箇所、どういうわけか、家でできていたところができなくなっていた。よくあることだが、今日のできなさはしつこかった。

次の課題はペダルと強弱。それ以前に、ちゃんと毎日稽古しないと。

帰宅し、トーストを食べ、11時半過ぎに走りに行く。

体が重く、序盤の2キロくらいまでは息があがって大変きつかった。

荒玉水道、甲州街道、環八を走り、八幡山の『キャスティング』でエリア10EVOを買った。

環八を南下し、再び荒玉水道を南下し、世田谷通りまで坂を下りた。そこから同じ道を環八まで戻り、小田急線沿いに梅ヶ丘まで走った。15キロ。

昼飯に、梅ヶ丘の『勝や』で中華麺を食べた。

そこから家までの5キロをゆっくり走った。腹ごなしと、血糖値上昇抑制。

シャワーを浴びる。

4時に家を出る。西葛西へ。

実家帰宅。コーラの700ミリをごくごく飲む。

5時過ぎ、中土手へシーバス釣りに行く。木曜と同じポイントに陣取った。
中潮最終日、かつ土曜日なので、いつもはほとんど人がいないゾーンなのに、自転車遠征アングラーが100メートルほど下流にいた。

対岸にもアングラーのものと思われるヘッドライトが時々点灯していた。バカ騒ぎしながら釣りをする若者集団がいるようで、笑い声や叫び声が聞こえてきた。昨年の『うひょ軍団』みたいな声だった。まさか同じ連中か?

満潮時刻は午後7時19分だった。そこから潮位が下がりはじめるまでは時間がかかりそうだった。タイドグラフを見た感じでは、午後9時には間違いなく下げになっているだろうが、いつから実際に下げ始めるのかはわからなかった。

午後7時過ぎには、まだ流れは若干上げているようだった。南風が吹いているせいもあったろう。水面はやや波立っていたので、レンジを入れられるルアーを選んで投げた。

ワームを下流側に投げてボトムをとり、ゆっくり引いてきた時に、かけ上がりあたりの牡蠣瀬かなにかで根掛かりしてしまった。リーダー部分先端切断でロストした。

リーダーとPEラインの確認をする。スレている箇所は見当たらなかったので、リーダーにスナップをつけなおし、釣りを続けた。

午後8時近くなっても流れは下げる気配がなかった。それでも流心部にははっきりとしたヨレができており、その先は下げているように見えた。

木曜のことを思い出し、アルデンテをクロスで投げてみたが、反応はなかった。

午後8時半を過ぎた頃だろうか、岸際の浮遊物が下流に向かって流れているのを見て、明らかに下げが始まったと判断し、ルアーをノガレに替えてアップに投げた。

ラインを水面に流し、ドリフトさせていると、投げたあたりでボイル音が聞こえた。

(そろそろバチ抜けのスタートかなあ…)

そう思ったとたん、ロッドがしなった。

食った、と思い、すぐには合わせず、ワンテンポおいてから合わせた。リールを巻くと、すぐにぐんぐん引かれ、魚が水面で跳ねた。エラ洗いをさせないよう、ロッドを横に倒して引き、魚体を潜らせた。

ドラグを少し緩めてリールを巻いた。すると、すごい勢いでラインが出ていった。緩めすぎたと思い、やや締めて巻くと、締めて増えた抵抗の分だけロッドがしなった。再びドラグを緩め、ラインが適度に出ていく塩梅を探しながら、巻いてはラインか出ていくということを繰り返した。

かなりでかいと思った。3回ほど岸に寄せたが、そのたびに魚はかけあがりから底に向かって潜っていった。ロッドを立てて潜らせないようにし、抵抗が収まったら出されたラインを巻いて取り返した。

そのように一進一退の攻防を続けて、4回目に寄せた時、水面に魚体が浮かんできた。シーバスだった。すぐに左手でネットを伸ばし、キャッチを試みる。

しかし、シーバスは再び抵抗し、潜っていこうとした。ラインがまたも出ていったので、ネットをいったん立てかけて、再びロッドを両手で持ち、出たラインの分だけを巻き取った。

再び水面に浮かんできたシーバスは、さすがに長時間のファイトで大人しくなっていた。左手でネットを伸ばし、右手で魚体をコントロールし、右から左へゆっくりシーバスを泳がせて、シーバスの下をネットがくぐるようにして、ネットを軽く持ち上げた。

輪の中に入ったと思い、ロッドを立てかけ、ネットのポールを少し持ち上げた。とたんに、重さにぎょっとした。ちょっとでもポールを斜めにしたら折れそうだった。

真下の壁面に接するところまで、ポールをまっすぐにしたまま、伸ばしていたのを縮めた。ネットを水中から持ち上げてからは重くて縮めるのが大変になった。手を伸ばすと輪の縁に手が届いたので、輪の部分を両手で持ち、柵のこちら側に引っ張り上げた。

ネットの中のシーバスを見た瞬間、思わず「でかっ!」と言ってしまった。体高が手のひらを縦にしたくらいあった。

サイズは84センチだった。昨年4月以来のランカーサイズだった。ルアーのフックは、一つが見事にのび、一つが折れていた。

リリースをする。左から右に流れているので、頭が外側を向くようにネットの中にシーバスを入れ、水流に戻した。しかし、蘇生前に腹が上になった状態で出ていきそうになったので、あわててネットで捕まえ、反転させると、そのままゆっくりと底に向かって戻っていった。

気がつくと水面にはバチが沸いていた。釣り上げている間にバチ抜けが始まったらしい。

少しして、右隣にいたアングラーにもシーバスがかかっていた。しかし、ネットを使わずにごぼう抜きしていたので、大きくても50センチくらいだろうと思った。銭湯で隣に座った奴の股間をチラ見するような気分だった。

再びノガレを投げ、エリア10を投げ、アルデンテを投げた。流れが効いてきてからは、コモモやマニックも投げた。しかし、再びバイトを得ることはできなかった。

潮位が下がってきたので、10時過ぎに納竿した。

帰宅し、ネットとルアーを洗った。

興奮は持続していたが、昨年4月にランカーサイズを釣った時みたいに、腰を抜かすほどではなかった。ファイトを振り返り、ドラグ調整をマメにやりながらやり取りができたのは良かったぞと自分を褒め、かといって長すぎるファイトは魚へのダメージが大きくなるぞと反省した。

釣るプロセスで一番嬉しかったのは、ネット取り込みがすんなりできたことだった。

あと、『うひょ軍団』の真向かいでランカーを釣り上げたことも嬉しかった。

腹はそれほど減っていなかったが、アコレに行き冷凍たこ焼きを買ってきて食べ、焼酎レモンサワーを飲んだ。

2時過ぎ就寝。