サミット閉幕

夜中の3時に起きた。

朝飯に、麻婆丼を作って食べたが、眠いし頭フラフラするしで、桑の実摘みに行くのは無理そうだった。

ていうか、ちっとも行きたくなかった。昨日のオレは、なぜそんなことをしようと思ったのだろうか。昨日のオレと今日のオレは別人なのだろうか?

二度寝し、8時過ぎに起きる。

『シュートマッチ』読む。プロレス「因縁」対談10番勝負という副題の本。前田日明とジョージ高野の対談に興味を持って借りたのだが、褒め合って終わる感じで、面白さは今ひとつだった。

むしろ、安生と坂田の対談が面白かった。田村や前田について二人が話すという構図は、たぶん、本書の全対談で一番面白い。最後に安生が、前田襲撃事件にいたる心理を、プロレスマスコミに絡めてぼやいていたのが印象的だった。安生が殴ったのは、前田本人ではなく、前田が象徴していたプロレスマスコミだったのかもしれない。

1時半に家を出る。西葛西へ。

お弁当屋『一番』で、マヨ明太DX弁当買って実家帰宅。

母は家にいた。午前中、甥2号の娘と会いに、妹の家に行っていたという。

「かわいいの!」

と言いながら、写真をオレに見せようとしたが、可愛いことはじゅうじゅうわかっているので、あえて見なかった。こういうところは、母親に対してのみ、オレは頑なになる。母は、赤ちゃんのかわいさに溺れようとし過ぎる。先日の法事でも、「かわいい!かわいい!かわいい!」などと、3回も繰り返していた。『寺内貫太郎一家』の樹木希林でさえ、「ジュリー!」は1回こっきりだったというのに。

かわいいのは、いい。ひ孫だもの。でも、「かわいい!」と言うのは1回にするべきだし、写真をオレに見せて、違う角度からかわいさを追体験しようとするのも、やり過ぎだ。

こういう考えを、甥っ子三連星が幼い頃から押し通してきたオレのことを、母はたぶん、『ジョジョの奇妙な冒険』でいうならディオに相当する冷酷人間だと思っているだろう。

子供は好きなんだけど、好きだからこそ、オレの『子供かわいがり欲』なんか、真っ先に無視していいんだ。知らないおじさんに抱っこされたら怖いじゃん。かわいそうじゃん。

『一番』はいつも混んでいるという話を母とする。

母は5時に妹宅へ。たぶん食事を一緒にするため。

オレは6時に旧江戸川河口へ。たぶんシーバス釣りをするため。

船着き場から河口に向かってランガンした。明るいうちはメタルガレージや鬼丸などの鉄板を投げ、薄暗くなってからナレージにし、すっかり暗くなってから、ガルバスリム、マリブ、K太、スイッチヒッター、ワームなどを投げ、再びナレージを投げた。

ナレージを投げたのは、水面が波立っており、表層系ルアーは投げられなかったからだった。風は南風で、波は上流に向かっていた。6時台から下げだったのに、風は上げで流れは下げで波は上げという状態だった。

舞浜大橋北のシャローまでランガンしてから、リバースして戻ったが、風が弱くなっても波は収まらなかった。

なぎさニュータウン前まで戻ってきた時、父と息子のアングラーコンビが帰り支度をしていた。明るい時間帯に河口へランガンしている時、二人が釣りをしているのを見たのだが、パパが投げて、息子にロッドを渡してリールを巻かせていた。息子はたぶん10歳くらい。

その父子が片付けをしていたのだが、息子がそわそわした様子で、お父さんにこう言っていた。

「いやー、大変だったねえ」

パパは無言でお片付け。

息子は続けた。

「いやー、スズキ、釣れたねえ」

そうか、オレが通り過ぎてからの1時間半ほどの間に釣れたのか。しかも、チヌじゃなくシーバスを。

思わず、頬が緩んだ。少年よ、いい日曜日になったな。そしてパパさん、ナイス。

そして、父子が釣りをしていたポイントの15メートルほど上流で、柳の下に二匹目のシーバスはいねえかと思い、姑息にルアーを投げた。

いなかった。

さらに上流へランガンしながらナレージを投げ続けたが、アップに投げて引いて切る時、ゴロタに引っかかってしまった。

たぶん、上流側にまわればキャッチできるだろうと思いつつ、ゴロタを移動してみたが、ロッドの尻をトントンと叩いてティップを引くと、PEラインがあっけなく切断され、ナレージをロストしてしまった。

やる気が失せ、以上で納竿。

9時過ぎ帰宅。

波立っている時のナイトゲームにどういうルアーを投げたらいいのかをネットで検索したが、答えは見つからなかった。今日は後半ずっとナレージを投げていたが、レンジが入るルアーを他に色々投げた方がいいのか? 答えは見つからず。

サミットが終わった。昨日、ゼレンスキー大統領が来日した時はびっくりした。今回のサミットのクライマックスだった。

各首脳が慰霊碑に献花したことも、前代未聞だった。

評価云々はどうでもいい。今回の場合、サミット自体を評価されることは目的ではなかろう。

だが、先日のテレビ出演で岸田さんが言っていた『外交』の定義について、その結果としての今回ではあったと思う。自民党や現政権のデモンストレーションではない。『外交』の可能性についてのデモンストレーションだ。「みなさん、外交は、こういうことができますよ」という。

マクロン大統領が原爆資料館を見て慰霊碑に献花した、というのも、すげえな、と思った。フランスの大統領では、史上初めてじゃないか?

2時過ぎ就寝。