三日坊主上等

6時過ぎ起き。外が明るくなったために起きた。夏が近づくとこういう起き方をする。

しかし、昨日のモーレツ海洋トレーニングの、主に心理的疲労感があったため、そのままベッドで3時間ほど、学校行きたくないモードに身を委ねていた。

9時過ぎ起き。朝飯に、ご飯、野菜のタレ漬け、うりのぬか漬け。

気分は、昨日の夜から、ちょっぴり憂鬱という感じを持続していた。芝居に例えると、演出が指示してくれた動きが全然できず、ダメ出しされまくり、オレはこんなに芝居ができなかったっけ? という状態で、稽古帰りの飲みにも参加せず、家に帰ってクリアアサヒ500mlとか飲んで、3時間くらい寝て起きた時みたいな心理状態だった。

午前中、借りていた本を読む。

『証言UWF 完全崩壊の真実』読了。
宝島社から出ている書籍で、以前同じシリーズの『証言UWF 最後の真実』を読んだことがある。前田日明と佐山聡が向かい合っている表紙の写真は、UWFファンの心をときめかせる魅力があった。
今回読んだものは、高田延彦のインタビューが載っているのが『売り』なのだろうと思ったが、読んでみると大したことは答えていなかった。内容も、UWFそのものではなく、むしろ『その後のUWF』と言うべきもので、Uインター、リングス、パンクラスに関わった人々へのインタビューを通して、UWFとは何であったのかを描き出すことを意図しているように思えた。

昼、ご飯、小松菜のよごし、うりのぬか漬け、トマトと玉子の味噌汁食べる。トマトは、昨年収穫して冷凍していたもの。800個も収穫できたので、まだ残っているのだ。

トマトの誘引と葉かきをした。一昨年から『脇芽放任』をするようになってたら、収穫が安定するようになった。今年もその方法で育てているが、実の結実に必要のない葉を積極的にカットしてみることにした。昨年は完全放任で栽培したのだが、6月になると育ちすぎて、溶液の消費量がすごいことになっていた。一日10リットル以上は消費していたと思う。そうなると一番危険なのは、水分の枯渇ではない。水が少なくなったことによる水温の上昇と、溶存酸素量の低下と、水質の悪化なのだ。

なので今年は、溶液をじゃんじゃん吸ってもいいけど、それが効率的にトマトの実に使われるようにしていきたいわけだ。

また、誘引も、丁寧に行うようにした。なるべく、日光が全体に満遍なく当たるよう、葉が重ならないように考えつつ、放射状に誘引していく。だから、葉かきをしていないと密集して大変なことになるのだ。

作業を終えてから、また、借りていた本を読んだ。

『イノセント・ファイター』読了。前田日明ファンにはおなじみの田中先生こと、田中正悟による著書である。1989年に出版されたから、前田日明の自伝『パワーオブドリーム』の翌年に出た本ということになる。

内容は、田中正悟の自伝という形を用いた、前田日明の若かりしエピソード集といったところか。田中正悟は、90年代のある時期に前田日明と絶縁し、プロレスマスコミから姿を消してしまった。その時に広まったエピソードゆえに、どことなくうさん臭い人という印象を、90年代のプロレスファンであるオレなどは、受けてしまうのである。

しかし、本書に書かれている『アキラ』のエピソードは、『パワーオブドリーム』に書かれていた内容と重複する部分や、たぶん盛っているだろうなという箇所はあるが、おおむね真実だろうなと思った。大体、前田の高校時代から、新日に入団して海外遠征をするあたりまでである。そういうエピソードを書けたのは、たぶん田中正悟のみであったろう。UWFの証言本よりも、歴史の史料としては、本書の方が重要かもしれない。

夕方、実家へ。

夕食にオムライスを食べる。ケチャップがなかったので、ソースをかけて食べた。

夜7時、中川へシーバス釣りに行く。中川で釣りをするのは2月のバチ抜け狙い以来か。その後工事が始まり、行きにくくなってはいたが。

葛西橋の南側で釣りを始めた。夜9時過ぎが満潮で、かつ、南風、かつ、中川というロケーションだったため、流れは結構上げているように見えたが、ルアーを投げてみると、上げてはいたが、勢いは速くなかった。

それよりも問題だったのはクラゲだった。岸際をヘッドライトで照らすと、タピオカかってくらいのクラゲが浮かんでいた。ルアーを投げて表層を引いても、フックがクラゲに引っかかりまくるのだ。

クラゲより下のレンジを引いてみようと思い、マリブ、トライデント、ワーム、バクリースピンなどを投げたが、ルアーのレンジがちょっとでも上がると、すぐにフックにクラゲが引っかかった重さがロッドに伝わってきた。

これじゃ釣りにならんと思い、8時40分に納竿。

9時、実家帰宅。
母が、マンションの上階に入る老友からもらったというメロンを食べた。切ってみると、黄色みがなく、緑のままだったので、青臭いかなと思ったが、かなり甘くて美味しかった。

母、新聞に載っていたという『朗読会』に参加してみたいのだが、どう思うかと聞いてきた。一回やってみて、合わなかったらやめればいいと答える。無難な答えだが、声に出して本を読む行為に、悪いことは一つもないだろう。

母、意外なことを言ってきた。以前、目が見えない人に新聞を読んであげるための講習に参加したことがあるそうなのだ。

「でも、私の読み方は、演技過剰だっていうの。感情をいれたらダメなんだって」

先生にはそう言われたらしい。

わかる気がする。母は、若い頃になまじ演劇をやっていたため、その時にセリフの読み方について、変えようのない『了見』をこしらえてしまったと思しい。すべてのセリフを朗々とした声ではっきりと喋るみたいな。

それじゃ、登場人物がみんな、学級委員になってしまう。

母が演劇をやってきた期間はどのくらいなのだろう。たぶん、それほど長くはないだろうなと思う。二十代の、おそらく一年か二年だ。高校を出て、一流企業に就職し、そこをやめ、たぶんその後くらいだろう。で、また別のエレクトロニクス企業に就職し、退職金をせしめるために『ニセ寿退社』でやめ、鉄工関係の会社に再就職した。

「あたし、仕事探しで困ったことないから」

だそうだ。で、85歳の現在、足腰がまだ丈夫で、毎日スポーツジムに通い、たくさんの老友から日々連絡を受け、鬼怒川に行ったり伊香保温泉に行ったりしている。で、今度は朗読教室に興味を持っている。

ここは、どんどん行くべきだろう。続くかどうかは問題ではない。三日坊主上等。85歳だ文句があるか、ってなもんだろう。