コンデンサー交換

 昼過ぎ、ニヒル牛2へ。
 石川浩司さんによる、空き缶コレクションの展示を見る。
 100以上はあろうかという珍缶笑缶驚缶が、天井からひもで釣り下がっていた。
 高校生の頃、修学旅行先で見たことがあるWalkmanコーラもあった。
 もちろん外国の珍しい空き缶もあった。
 ただのアスパラガスの汁が入っていただけという、アスパラジュースの缶もあった。

 帰りに食鮮館で買い物。
 ひき肉と白菜、ねぎを買う。

 おしるこを作り、それを食べて一息ついてから、パソコンの大手術作業をした。
 昨年9月末から10月にかけて、パソコンが起動しなくなったことがあり、その時マザーボードのコンデンサーが膨らんでいるのを発見した。
 90年代末期のある時期に作られた台湾製コンデンサーは寿命がかなり短いらしく、何年か使用するうちに内溶液が膨張し膨らんでしまうのだ。
 そうなるとコンデンサーは本来の性能を発揮しなくなる。
 そのまま使っていると破裂することもあり、そうなればパソコンはいっぺんにオシャカだ。

 その時はCPUの動作速度を1.4GHzから1.0GHzに落とすことで起動することができた。
 しかし、故意に性能を落とすことで起動させるというのは、ひじに爆弾を抱えたまま登板するピッチャーのようで、あまり勧められることではない。
 というわけでコンデンサーの交換は、いつかはしなくてはならないことだった。

 作業はちゃぶ台でやることにした。
 本などを片付けきれいにしてから、パソコンのマザーボードを取り外した。
 半田ごてを暖め、膨らんでいるコンデンサーの裏側に当てる。
 が、コンデンサーはなかなか外れなかった。
 半田ごての熱が、コンデンサーを止めている穴に伝わらないのだ。

 作業が進まずかなり焦ったが、手持ちの半田を溶かしてそれを穴に注ぎ込むようにすると、あっけなく外れた。
 『追いはんだ』というらしい。

 膨らんでいるコンデンサー10個を、新しいものに取り替えるのに、2時間近くかかった。
 目は痛いし、肩は凝るし、なかなかの重労働だった。

 CPUの設定を1.4GHzに戻したマザーボードをケースに装着しなおし、電源を入れる。
 いきなりエラー音が鳴り、肝を冷やす。
 見ると、ビデオカードがきちんとささっていなかった。
 さしなおして再び電源を入れる。
 今度は無事起動した。
 やっと、元の速度に戻ったわけだ。
 それから、マザーボードの寿命も少しは延びたことだろう。

 作業が終わったのは8時近かった。
 それからご飯を炊き、ねぎギョーザを作った。
 にら、にんにくは使わない。
 長ねぎが味の決め手となる。

 9時に夕食。
 ずいぶん遅かったが、一仕事終えたので気分は爽快だった。

 夜、久しぶりにクイーンのビデオを見た。
 デビューからのプロモーションビデオと、ライブエイドのステージ。
 フレディ・マーキュリーが、超細身の王子様体形から徐々に<ちょび髭マッチョ水兵>というデフォルトフレディになっていく過程を見る。
 アルバム『ジャズ』の頃は過渡期で、髪は長くも短くもなく、ヒゲはまだ生やしていない。
 この時期のフレディが、ぱっと見好青年風であることは、意外と知られていない。