釣れたのにネットが開かずバラす

朝、3時20分に起きた。シーバス釣りにいく支度をする。

ルアーを選ぶ。4時前くらいから釣りをすると、すぐに夜が明ける。となると、デイゲーム用のルアーを持っていった方が良さそうだった。それでも一応、シンペンその他、ナイトゲーム用のルアーを入れたケースも持っていくことにした。

4時前に満潮。そこから7時くらいまでの下げを狙おうと思った。ランガンするつもりだったので、狭いうひょゾーンではなく、旧江戸の河口域に向かった。

4時過ぎ、船着き場で釣りを始める。まだ暗かったが、東の空はうっすらと明るくなっていた。南風がそれなりに吹いており、波は上げの方向に向かって立っていた。

初めから鉄板を投げた。昨日買った、メタルガレージと鬼丸を順番に投げながら、下流に向かってランガンした。

船着き場近くの柵があるエリアからゴロタゾーンに移ってから、根がかりに気をつけながら投げた。送電線の下をくぐるあたりで、すっかり明るくなってきた。

そのあたりは、流れのあちこちで、部分的に波立つ箇所があった。牡蠣瀬があるのかもしれないと思ったので、ややダウンに投げてから、底をとらずにすぐ引いた。

鬼丸を投げた時だ。着水と同時に引くと、すぐにロッドがしなった。少しして、かかった、と思った。ラインのテンションを緩めずにおき、一回あらためて合わせを入れた。

ドラグが鳴る間は巻かず、音が止まったら巻くということを繰り返した。魚はなかなか水面に上がってこなかった。これはシーバスではないなと思いつつ、巻き続けると、岸から3メートルほどの位置で魚体が水面に上がってきた。チヌだった。サイズは、見た感じでは40センチ弱だった。

ランディングネットを肩から外し、右手でロッドを操作する。チヌは体を横にして浮かんでいたので、そのまま岸にゆっくり引いてくればキャッチできそうだったが、ランディングネットで取り込むことにこだわりたかったので、ネットの折りたたみをリリースしようとした。

ところが、左手でなんどリリースしようとしても、ロックが解除できなかった。そうこうするうちに、横になっていた魚が暴れ始めたので、右手でラインテンションを維持しつつ、再び誘導しようとすると、フックが魚の口から外れ、チヌは逃げてしまった。思わず「ああ」と声が出た。

フックを確認し、なぜネットの折りたたみロックが固いのか、よく調べてみた。すると、原因がわかった。単純だった。

折りたたみ用のジョイントは、折りたたんだ時、こういう形をしている。

П

先端にそれぞれ、ネットとポールが接続されている。伸ばすと、こうなる。

下にポール、上にネットがつながっているイメージだ。この状態で、ポールを伸ばしていくわけだ。

しかし、

П

の状態のとき、傾けたりして斜めにしてまうと、

Л

ジョイントはこんな感じに、開く方向に力がかかった状態になる。

この状態だと、ジョイントを開けるようにするためのリリース部品に、力が加わった状態になってしまい、引っ張っても動かなくなってしまうのだ。

そして、片手で操作すると、斜めになりやすい。つまり、動かない状態にしやすいのだ。

釣れなかったのは残念だが、こうした理屈を勉強できたので、良かったことにする。そういや、ランガンしないで釣りをするときは、初めから開いた状態にしていたから、片手で開く操作をすることがなかった。

下流に向かってランガンしていくと、撮影しながら釣りをしている三人組がいた。結構いいカメラで撮っていたので、プロの人達かもしれないなあと思った。

H岩近くまでランガンし、そこから逆方向に戻る。ルアーは、メタルガレージと鬼丸を代わる代わる投げてばかりだった。一度バクリースピンを投げたが、風が強かったので、ちゃんと飛ばすことができなかった。

6時半、釣り始めた場所まで戻ったので、納竿した。

7時帰宅。

朝飯に、ご飯、納豆、めざし、昨日作った酢の物、けんちん汁。

午前11時過ぎまで寝た。

昼、ジャーに残ったご飯と、酢の物、けんちん汁を食べた。

3時、母がスポーツクラブから帰って来た。一昨日行ってきたという伊香保土産の饅頭を食べ、チャットGPTの話をする。

AIは、自分からお題を出したり、問いを立てたりすることができないことが、人間との根本的な違いだと思う。よくある、AIを使った写真加工アプリなんかでも、元を出すのは人間だ。

チャットGPTも、こちらが何か言葉を入力しない限り、向こうは何時間でも、理論的には数億年でも黙ったままだ。

それじゃあ意味がない、と考えるのが人間であるが、AIにとっては、意味があるか否かに意味はない。

つまり、人間とは、意味の生き物なのだ。

5時半、実家を出る。中野へ。

6時半、髪を切りに行く。前回から担当さんは、映画『グリース』に出てくる革ジャン三人組の一人みたいなあんちゃんになった。

夏男みたいな格好をしていたので、寒くないですかと聞かれる。

「寒くはないですけどね、実家帰ってたんで、これしか着るものなくて」
「実家、江戸川区でしたよね?」
「ええ、釣りに行ってたんです」

以降、カットされている間、釣りの話をした。

顔を剃るところから、若いおねいちゃんにバトンタッチ。しばらく前から、アヴェさんの助手として、色々手伝いをしていた子だ。

「焼けましたね」と、新人さんに言われたので、小笠原に行ったという話をし、そこから、泳ぐことについて色々話した。

8時半帰宅。

今さらながら、魔夜峰央『跳んで埼玉』を読む。埼玉差別ネタなのだが、このくらい徹底的にやってくれると、ギャグになって面白い。魔夜さんはこういう感じのネタを『パタリロ!』で散々やっていたから、新鮮味はなかったが、「所沢へ?」の返しは、やはり笑える。