背中ムズムズは悪寒となった。
葛根湯ドリンクを飲むと発汗するので楽になったような気がして、このまま治るんだろうと思えるが、薬が切れるとまた悪寒に全身が包まれる。
前回、成人の日前後も同じような状態になった。
長い長い距離を走った翌日から調子が悪くなり、筋肉が炎症を起こしたと思っていた。
それもあるだろう。
だが、簡単な事実に気がついた。
前回も今回も、体調が悪くなる二日前に、生牡蠣を食べているのだ。
牡蠣にあたったというわけではないと思う。
もしそうなら今頃、心身共にのたうちまわっているに違いない。
おそらく、二回とも体調があまり良くない時に食べたのが良くなかったのだろう。
にもかかわらず、夜、大学時代の友人達と会う約束があったので渋谷に出かけた。
「ごまや」に入ると、いつも会を仕切ってくれる榊原が先に来ていた。
牡蠣の美味しい店とのことで、利き酒ならぬ利き牡蠣のような生牡蠣3個セットを二人で頼んだ。
大変美味かった。
スーパーで売っている牡蠣なんかとはレベルが違った。
惜しいことに、もりもり食べられるような状態になかったので、美味しそうな焼き牡蠣やら料理やらを、それぞれひとつまみ程度しか食べられなかった。
店は大変気に入った。
集まったメンバーと話す。
うち、女性二人は、卒業して初めて会った。
道で会ってもわからなかったと思う。
9時過ぎに店を出ると、ようやく仕事を終えた入倉くんが渋谷に向かっているとの情報を得た。
幹事の榊原も体調がよくないらしく、入倉くんが来て挨拶をしてから帰って行った。
予約や人集めなど、いつもしてもらってる。
たまには俺もやらないといけないんだよな。
女性達は皆帰ったが、残った男4人で新宿に移動。
清水、内田、入倉、そして自分。
ビックカメラ裏の「やまと」に顔を出すが、満席だった。
どこかないかと探すうち、焼き鳥の店があいていたのでそこに入る。
飛び込みで入った割に、値段も安くいい店だった。
メニューにめざしがあるのがいい。
仕事のエピソードなど色々聞く。
叱られた部下が、自分のいない時に椅子と机をぶん投げていた話など。
けっこう遅くまで話したので、皆、終電に間に合わなかった。
かといって朝までいるわけにはいかず、深夜バスやタクシー狙いで全員JRに乗った。
荻窪で降りる自分だけが、帰宅勝ち組だった。
家に帰ると、身体が少し楽になっていた。
昨日まで苦しんでいた胃部膨満感もおさまっていた。