雪で冠水

上田馬之助関連の本を二冊読んだ。
「金狼の遺言」と「ふたりでひとり」

「金狼の遺言」は、馬之助の口述による自伝。
「ふたりでひとり」は、奥さんの恵美子さんによる、介護の記録。

1996年、乗っていた巡業車の事故により、上田馬之助は重度の障害を負い、プロレスラー生命を絶たれた。
以後、2011年に亡くなるまで、壮絶なリハビリ生活が続く。

少しでもものが触れると痛いという状況で、医者からは「痛みは一生消えないから、慣れるしかない」と言われた馬之助。
痛みに耐えるだけの日々。
プロレスラーであることに誇りを持ち、力道山時代に取得したプロレスラーのライセンスを大切に持ち続けた人が過ごした15年という年月。
想像のしようもない。

二つの本を合わせ読むと、言葉で感想のようなものを書く気持ちが失せてしまった。
生きることと、痛いということが、同時に進行する。
それでも、痛い痛いと進んでいく行き方。
なぜ、生きるんだろうという問いさえ、浮かばない。

昨日の雪は溶け始めていたが、積もった量が多いため、道路は溶けた水であちこちが完遂していた。
排水溝が雪で詰まっているためだろう。

朝、営業時間が短くて有名な「桃井亭」へ歩いて行く。
クイーンズ伊勢丹近くの横断歩道が完全に水没しており、長靴を履いていなかったためくるぶしまで水に浸かってしまった。

「桃井亭」にて肉茄子ラーメン食べる。

帰り道、同じ横断歩道を渡るのは嫌だったので遠回りをして帰る。
走ることはとてもできそうになかった。

家で一日過ごす。
筒井康隆『偽文士日碌』読了。
Web日記の書籍化。
Webで読むより、本の形で読む方が読みやすい。
たぶん自分はじじいになるまで、活字を読むのは紙に限るわいとか、ぬかすんだろう。

でも、仕事をしている時に、打ち合わせでパワーポイントの資料作りをするよりは、白紙の紙を出して図を書いていく方が話の進み方が早いと思う。
だからいつもロッカーには紙を置いてある。