先月末から今月、体を鍛えることにムキになりすぎたためか、とうとうダウンしてしまった。
全身の筋肉がきしみ、顔はむくんでぱんぱん。
S君に後事を託し、仕事を一日休み、家で静養した。
自業自得としかいいようのない休みではあったけど、体をいじめたい欲求の強さは、追い詰められている思いの強さと比例する。
追い詰めている何者かから逃げるために、ひたすら体を動かしていたんだなと、痛んだ身体を横たえながら思った。
中学の時に同じクラスだったMさんが突然夢にでてきた。
何十年も思い出すことがなかった人なのに、なぜ出てきたのかわからなかった。
彼女が夢に現れたことが衝撃で目が覚めた。
「えーっ?」
と思い、再び横になって目を閉じると、またMさんが出てきた。
夢の一時停止機能を、自分は持っているらしい。
夢の中でMさんと、久しぶりに会話をした。
久しぶりですね、卒業してからどうしてたの?
俺はこれこれこういう感じだったけど、へえー、ああそうー。
たぶん、実際にMさんと会っても、同じように会話ができるだろう。
たぶん、中学の時にそうしたかったように、できてしまうだろう。
飢え死に防止のために、昼の3時に起きてご飯を食べた。
鍋に残ったテキトー煮を温めながら、Mさん今頃なにしてるのかなと考えていた。
古谷実『ヒミズ』を読み返す。
単行本を最後に読んだのは2003年。
10年以上前のことだ。
その時は、ラストの展開に気が滅入ったが、今日の再読では平気だった。
平気ではない。平気ではないが。
『シガテラ』『わにとかげぎす』という、その後の比較対象となる作品が、精神のバランスをとってくれた。
映画『ヒミズ』は、東日本大震災の要素が入っているため、まだ見ていない。
東日本大震災をテーマにした映画が良くないということではない。
『ヒミズ』の原作は、立ち位置が違いすぎる。
社会との結びつきがついに得られなかった少年の物語を、震災と結びつけるのは、欺瞞に思えて仕方ない。
夜、9時半に寝る。
これだけ休養すれば大丈夫だろう。