昼の2時からゲネプロ。
大小さまざまなミスあり。その手直しなどをするうちにあっという間に本番となった。
稽古場では身内しか芝居を見るものがいなかったので、シーンごとにどこがどう面白いのかという客観的な判断が出来なくなっていた。
だからかもしれないが、客席から反応があったりすると戸惑う部分もあった。
芝居はとりあえず大きなミスもなく進んだが、ラストシーンにてミス発生。
拳銃が鳴って山口さんが倒れるシーンで、火薬が鳴らなかったのだ。
奇妙な間が出来てしまい、焦った。
11月の「粗忽重ね」に出ていた谷口さんが観に来ていた。
「いやあ、なんていうか、お疲れ様でした」と言われた。
「いやあ、なんていうか、ありがとう」と答える。
細田君も来ていた。「DMありがとうございまス」と言われた。
しかし考えてみれば、彼は今回色々手伝いをしてくれているのだ。ご招待チケットをちゃんと送ればよかったと反省。
初日終了ということで飲みに行く。山ちゃんと今年一年の演劇活動について話す。
それから、受付に来ていた破戒僧飯野と下らない話をする。
なんと、終電を逃す。みつ夫と俺だけ帰れない二人。
みつ夫は米っちか横岳の家に泊めてもらい、俺は破戒僧飯野の部屋に泊めてもらう。
午前2時。
「じゃ、行きましょうかドカさん」と、飯野。
「歩いてどのくらいだい?」
「結構ありますけど、行けない距離じゃないっすよ」
「そう」
「ラーメン食いませんか」
「そうだなあ…」
新井薬師近くの珍珍珍(さんちん)でラーメンを食う。
歩きながら色々な話をするが、歩いても歩いても着かなかった。
着いたのは午前3時。
南長崎にある飯野の部屋は結構広かった。6畳の部屋、4畳半の部屋、台所3畳、風呂トイレ別で、家賃が5万円だそうだ。
かなりいい物件だ。
しかし部屋は散らかっていた。
「すいませんね。今、論文書いてるもんで」
しばらくマグネシウムリボンのことや、来年2月にやる芝居の話をする。
「俺、芝居は30までって決めてるんすよ」と飯野。
「へえ。その後はじゃあどうするの?」
「演劇博士になります。で、劇評とか書きます」
「へえ」
3時40分就寝。