米があれば生きていける

 一人暮らしを長くしていると、米の有り難みがわかってくる。
 いくら100円未満でおかずを作っても、ご飯がないとただのつまみになってしまう。
 ディスプレイがないとコンピューターもただの箱、みたいな感じだ。

 たとえば稽古が終わってうちに帰ってくる。
 時刻はだいたい11時前後だ。
 朝炊いたご飯が保温状態のまま一合弱残っている。
 そういう時は大抵チャーハンにしてしまう。

 普通は長ネギを使うが保存がきく野菜ではないためいつも買い置きがあるとは限らない。
 だから余り物チャーハンを作る時は大抵タマネギを利用する。
 これがなかなかどうして馬鹿に出来ない。
 一合に満たないご飯もタマネギと共に炒めればかさが増えなかなかのボリュームになるわけだ。

 先にご飯と卵を混ぜ合わせてしまう。
 卵かけご飯の状態にしておくと炒めた時に卵が米の一粒一粒をコーティングするのでべとつかない。
 具は冷蔵庫の余り物。
 肉、魚貝類、野菜、缶詰、きのこ類。
 あればとりあえず細かく刻んで入れてみる。
 大抵それなりの味になる。

 鶏肉やハム、ソーセージ、ベーコンなどがある時は、ケチャップで炒めてオムライスを作ることもある。
 これもタマネギが活躍する。
 包む皮の卵をケチらないこと以外は、まあ適当。
 チキンライスにバターで香りをつけることもあれば、ごま油なんかで炒めることもある。
 気分次第だ。
 
 ただし、卵は最低でも二個使う。
 ボールに入れ、あまり溶かずに、四分の三ほどの量を熱したフライパンに入れる。
 表面の半熟を維持した状態で火を止める。
 皿にはあらかじめチキンライスを盛ってある。
 残った四分の一の卵はよく溶き、そのチキンライスにかけてしまう。
 ちょっとエッチなくらいどろどろしたところへ、半熟部分が上になるように卵の皮をかぶせる。
 別に完熟部分を上にしてもかまわないと思う。その方がケチャップで字を書けたりして楽しい。

 汁物や煮物が残っている時は、雑炊を作ることもある。おじやですな。
 ただし、ご飯はすぐに汁を吸ってしまうので、あらかじめだし汁を半カップほど用意しておく。
 これに醤油大さじ1、酒大さじ1、塩小さじ3分の1、砂糖小さじ2などを加えたものを、残りの鍋に足しておく。
 ご飯を投入し、ほぐしながらとろ火で煮込む。
 こういう時長ネギがあるとうれしいが、ないことの方が多い。
 煮汁に粘りけが出て、煮立つ時の音が変わったらすぐに火を止めてしまう。
 茶碗によそってから溶き卵をかけるのが好み。
 お茶を用意したり、台所の電気を消したりしているうちに、いい感じの半熟卵になってくれている。

 ご飯が炊きたての時はもちろんそのまま食べる。
 炊きたてならおかずは単純な方がいい。
 浅漬けとか、鮭とか、ふりかけとか、キムチとか。
 焼き海苔と納豆だけでもいい。
 いや、みそ汁だけで十分かもしれない。

 米がなくなるとこうした生活が成り立たなくなってしまうから、残り5合をきったあたりから近所のスーパーで米の値段をリサーチする。
 そして一番安いところで買う。
 無洗米を試したことがあったが、環境問題以外のメリットを感じなかったので、地球にごめんなさいを唱えながらも普通の米を買っている。

 米の次になくなって困るものは卵だ。
 これはビッグパワーズというスーパーで買っている。
 今年に入ってからなぜか卵を安く売るようになった。
 Mサイズ12個入りのパックが100円だったりするのだ。
 というわけで卵に関しては割と不自由していない。

 卵の次になくなって困るものは何だろう。
 タマネギだろうかと思ったが、あれはなくなって困るというよりは、あると助かる食材のような気がする。

 30分ほど考えてみたが思いつかない。
 今のところ米と卵があれば事足りるということだろうか。

 夜、突然の雷雨。
 マラソンをしようと思ったのに、それどころじゃない激しさだった。
 しばらくして中山君から電話。

 「インターネットはつながったんですが、メールが受信できないんです」
 OutlookExpress の設定を確認して色々やってもらうが、メールサーバーにログインできない状態らしい。
 電話越しに色々やってもらうが、駄目だった。
 ネットは見られるし、メールサーバー接続の認証まではいくらしいので、パスワードかアカウントのどちらかがおかしいのだろう。
 「色々やってみます。もし送れるようになったらドカさんに開通メールを送りますんで」

 しかしメールは来なかった。

 「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」上下巻一気に読む。
 「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」一気に読む。

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