懐かしき「キマイラ・吼」

 昨日の夜実家で本棚の整理をしていたら、10年以上前に買った夢枕漠の「キマイラ・吼」シリーズが出てきた。
 懐かしさのあまり思わず2巻まで読んでしまう。
 他にも平井和正の「ウルフガイ」早川文庫版2冊と、同じく平井和正の「真・幻魔大戦」徳間文庫版が出てきた。
 昔の俺はヒーローものが好きだったらしい。

 ヒーローものが好きというよりは、SFやヒロイックファンタジーものが好きだったのだ。
 そして、長い長い長い話が好きだった。
 結果として平井和正という蟻地獄に手を出してしまったのは若気の至り。

 別に平井和正の小説が嫌いというわけではない。
 だがしかし、途中で主人公が失踪し最終巻まで姿をみせず、そのうちに話の内容が新興宗教の運営苦労話みたいになってしまった「幻魔大戦」全20巻を読み終わった時の虚脱感は忘れられない。
 その虚脱感を穴埋めするために、新シリーズであった「真・幻魔大戦」を買ったのだが、こちらも途中からわけがわからない展開となり、全18巻のうち15巻目で読み続けるのを断念した。

 キマイラ・吼シリーズはまだ終わってないらしい。
 インターネットで調べてみてわかった。
 しかし夢枕漠といえば今やメジャー作家だからな。
 20年前にジュブナイルとして始めたシリーズを書き続けるだけの時間があるだろうか。

 昼、新宿へ。
 途中古本屋で「特集・本の雑誌3」を買う。

 夕方小金井に帰る。
 途中、卵と大根を買う。

 19日に次回公演の顔合わせをするので、メールでの連絡などをする。
 合間合間に「特集・本の雑誌3」を読む。
 「ダ・ヴィンチ」嫌いの俺にとって、「本の雑誌」の企画はとても好ましい。

 夜、目玉焼きと大根おろしでご飯を食べる。
 質素にしたのは大根おろしが食いたかったためである。
 しっぽの部分をおろし、鰹節をふりかけて食べる。
 凄まじく辛い大根おろしだった。
 だがしかし、大根おろしフリークにとってこの辛さは、極上の感覚である。
 副鼻腔が痺れ、後頭部が脈打ち、食道が熱く燃え、涙がぼろぼろこぼれる。
 すべてが官能的で、何もかもが素晴らしい。