捨て猫

 昨日とはうってかわってさわやかなさわやかな天気だった。
 空気は乾いており、風が心地良い。

 昼、公園で本を読んでいた時のことだが、離れたベンチのあたりから鳴き声が聞こえた。
 猫の鳴き声だった。
 ベンチの下には小さい段ボール箱が置いてあり、どうやら鳴き声はその中から聞こえてくるようだった。
 「間違いなく捨て猫だ。どうしよう」
 段ボールを開ければ、その猫たちを見捨てるわけにはいかなくなってしまうだろう。
 しかし夕方までは猫にかかずらっている暇がなかった。
 とりあえず猫箱はそのまま保留し、いったん所用に戻った。

 夕方5時半、コンビニに行きミルクを買った。
 そして昼間に猫箱を見かけた公園に行ってみた。
 猫箱はすでになかった。
 近所の誰かが拾ったのだろうか。

 猫にあげるために買ったミルクを自分に与えながら、もしも猫箱がまだあったら自分はどうしただろうと考える。
 うちに持って帰ったとしても飼うわけにはいかないが、アパートの外で雨露がしのげるような箱でも用意し、野良猫として自活できる頃まで餌の援助をするくらいが関の山だろう。
 情が通って部屋に上げたりしたらまずいように思う。

 夜、新宿で山ちゃんと会い、マグネシウムリボン関連の話を少しする。
 「今日が給料日なんですよ。はいお土産です」
 そういって山ちゃんはなぜかまんじゅうをくれた。

 うちに帰ってからマカロニをゆでる。
 作り置きしていたトマトソースを絡めて食ったが、どうも疲れてそれ以上なにか作る気が起きなかった。
 それでも頑張ってサラダを作ったが、アボカドをミキサーにかけてドレッシングが作れないかどうか色々試してみたら、どろどろの変なソースになってしまった。
 何だかうまくいかない夜だ。
 ワインを飲んだら酔っぱらってしまい、布団方面に侵攻占領統治。