パスカルズのライブ

 昨日は沢山話を聞き、沢山話をした。
 痛いところを突かれ自己防御しようとする自分に気づいて自己嫌悪したり、取り乱したり落ち着いたり、冷静になったりおたおたしたり、感情と理性が慌しく変転した。
 思うところが非常に多い。

 昼過ぎに起き、野菜の入ったコンソメスープに余ったカレー粉溶かし、カレーうどんを食べた。
 「赤ひげ」の続きを見る。

 この映画を初めて見たのは高校3年生の冬だった。
 テレビの深夜放送でやったのを録画したのだ。
 2月だったと思うが、日記を調べてみないとわからない。
 とにかく、学校に行かず始終うちにいて受験勉強していた時期だったから、2月ではなかったかと思う。
 その頃はなぜか、深夜に名画を放送していた。
 タルコフスキー監督の作品を連続でやったり。
 受験勉強の息抜きに録画したものを見たりしたのだけど、「惑星ソラリス」を炬燵に入って見ていたら、ものの見事に途中で寝てしまった。
 そんな中、「赤ひげ」は最初から最後まで一気に見ることができた。
 常に次の展開が気になるように脚本が練られていて、ラストシーンのカタルシスが素晴らしかった。

 細部を見ていけば、思想的に突込みどころが沢山ある。
 黒澤明の作風としてのなものが随所に見られ、それが嫌いな人にとっては最初から最後まで虫が好かない映画だろう。
 だが、物語の構成、キャラクターの造詣など、その技芸を見れば、黒澤作品中最も円熟味のある作品だと思う。

 黒澤明作品の人気投票をやっているWebサイトがあったので覗いてみた。
 サイトは日本語版と英語版があり、ランキングもそれぞれ違う。
 日本人の投票と外人の投票に分かれているわけだ。
 それによると、日本人のみの投票ランキングでは、1位が「七人の侍」で、以下「生きる」「用心棒」「天国と地獄」だった。
 順当だろう。
 外人の投票ランキングでは、1位がなんと「夢」
 これには驚いた。
 ちなみに以下「七人の侍」「デルス・ウザーラ」「乱」と続く。

 「夢」が公開されたのは1990年。
 同じ年、黒澤監督はアカデミー賞の名誉賞を受賞している。
 そのことが影響しているのかもしれない。

 岡本喜八監督が亡くなった。
 81歳。
 新藤兼人監督が今年93歳であることを考えると、まだまだやれたろうにと思ってしまう。

 夕方、吉祥寺へ行き、元「たま」の石川さん、知久さんが在籍するバンド、パスカルズのライブを見た。
 開演前にハイネケンを飲み、ゆったりした気持ちでくつろぐ。

 7時半開演。
 石川さんはへんてこな太鼓をポコポコ叩き、奇妙に体を動かしていた。
 バンドの編成はまるで流浪の楽団みたいだった。
 ピアニカ、バンジョー、ウクレレ、ハーモニカ、ヴァイオリン、チェロ、ドラム、のこぎりなど。
 様々な楽器が渾然一体となって一つのざわめく音になる。
 それは大変楽しかった。

 演奏の合間はゆるゆるだった。
 リーダーの喋りは決してうまくなく、まるで人前に出るのを極力避けている人みたいだった。
 石川さんの喋りは大変面白く、なんでもない当たり前のことでも、石川さんが強調して喋るととても楽しいことのように聞こえた。

 3時間でライブは終了。
 10時半を過ぎていた。
 マクドナルドでビッグマックを食べる。
 トレイの敷紙裏に、メニューのカロリー表があった。
 ビッグマックはおよそ500キロカロリー半くらいだった。

 11時半帰宅。
 洗い物をし、ゴミをまとめ、シャワーを浴び、焼酎のお湯割を飲んだ。
 2時半に寝る。