王将ギョーザの中国進出

 ぐったり疲れたためかぐっすり眠れた。
 朝、荻窪までの20分の徒歩が辛くなかった。

 昨日、朝青龍が優勝した。
 2005年完全優勝、7連覇達成、年間最多勝更新の偉業を成し遂げた。
 去年と今年の12場所中、なんと11場所で優勝している。
 全盛期の大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花ですら、ここまで密度の高い勝ち方はしていない。
 すでに優勝回数は15回。
 圧倒的な勝ち星は、ライバルがいないことの裏返しでもある。
 「日本人力士にも頑張ってもらわないと」
 という意見が、時候の挨拶のようにされるようになったが、日本人じゃなくてもいいと思う。
 琴欧州でもいいし。

 夕方、実家へ。
 中華丼を食べる。
 8時ごろ、なぜかひどく眠くなったので、布団を敷いて2時間ばかり仮眠をとった。
 10時過ぎに起きる。

 が中国の大連に進出したらしい。
 テレビのドキュメンタリーで知った。
 しかし、王将のギョーザは焼き餃子である。
 中国では普通、餃子とは水餃子のことをさす。
 文化の違いをどうするのか?
 興味深く番組を見た。

 日本人店長が、中国人の店員一同を集めて、日本語でかけ声をあげさせていた。
 中国語のかけ声を日本人が率先して覚えるべきじゃないのか?
 違和感を覚えた。

 すぐ近くに、同じ値段で倍以上の量の水餃子を出す店があり、対抗するため、王将は値段を半額にしていた。
 なぜ倍以上の量があるのか考えてみた。
 たぶん、中国での餃子は副食ではなく主食だからだろう。
 日本での餃子は副食、つまりおかずだから、油っこくて味付けも濃い。
 だから焼きギョーザに人気がある。
 中国は主食だから、あっさりした水餃子だ。

 そのあたりの文化の違いを考えた上での出店なのか?
 それとも、中国という巨大市場の目先の利益を求めてのことなのか?
 後者だったら、はじめはうまくいっても、ゆくゆくは失敗すると思う。
 旧日本軍の満州出兵と、思想の根っこは同じだ。

 大連市内の映像を見て、30年後の中国はどうなっているだろうと思った。
 10億を越える民がすべて豊かになっていたら?
 その消費需要を考えると、めまいがする。
 こんな巨大な国に、20世紀のような資本主義的競争力で、日本が敵うわけがない。
 日本人労働者が中国へ出稼ぎに行く時代。
 いつかそんな日が来る気がしてならない。

 経済有効性ばかりに目を向けると、未来が暗く思える。
 だが、文化に目を向ければ、この先何十年経とうと、中国と日本は同格だ。
 いや、そこに格というものはない。
 国の文化はすべて固有のもので、どれもが誇らしいものだ。
 そして、押し付けるべきものではない。

 王将の出店が日本の食文化の押し売りにならず、中国の食文化と融合し、新メニューの形で逆輸入されれば、王将を愛する者として歓迎すべき展開だ。
 そうなって欲しい。