『わにとかげぎす』2巻

古谷実『わにとかげぎす』2巻を買う。
主人公は、友達のいない三十男。
流れ星に、友達が出来ますようにとお願いする彼だが、たまたま隣人の美人女性とつき合うようになる。
そのへんは、前作『シガテラ』と似た展開だ。

平凡な日常の裏側に潜む狂気は、今回においても所々で描写されている。
だが、これも『シガテラ』と同じだ。
今のところ、表現方法や物語の展開において、『シガテラ』になかったものは見いだせない。
ワンパターンであると批判するのが正しいのか。
それとも、同じテーマを前作より深いところまでえぐり出すのを期待するのが正しいのか。

連載の方では、主人公に彼女が出来た。
そしてここ数回は、物語の視点が主人公の職場の同僚に移っている。
この同僚が非常に面白い。
今までの古谷漫画では見たことのないキャラクターだ。
それでいて、どこかにいそうな感じがある。

夕方、西荻窪の中華屋で油そばを食べる。
が、東小金井の『宝華』の味を覚えてしまうと、どの店の油そばもまずく感じる。
年越しそばを、宝華の油そばにしようか?
一瞬だが本気で考える。