紅白に満足する年末

8時起き。
お煮しめを作る。
少なめにしたつもりだったが、鍋一杯に出来てしまった。
具材が多いのだから仕方ない。
レンコンが二本余った。

その後日記を書く。

11時に朝食。
残っていた冷凍ピザに、スライスしたタマネギを乗せて焼いた。
美味しかったが、チーズも追加した方がもっと良かった。

夕方、ジョギングをする。
村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んだことが刺激になっているが、同時に危機感をあおれれている。
実際ここ二ヶ月、走り込みがまったく足りていない。
フルマラソンを走る前の村上春樹は、<マジメに>月300キロ走っている。
毎日休むことなく10キロ走るのと同じ距離だ。

というわけで、大晦日である今日、走り納めをした。
日が沈むとてきめんに寒くなる季節なので、膝関節を寒さから守るためのサポーターは欠かせない。
環八から井荻を回るコースを走る。
8キロ。

これまで走った時間を記してきたが、今後しばらくは実装距離を記すことにしよう。
目標は月200キロ。
300はさすがに無理だ。

シャワーを浴び、酢拉湯麺を作る。
今年の年越しそばはこれだ。

7時半から紅白を見た。
トップバッターがモーニング娘。だった。
多すぎて誰が誰やらわからず、歌も<お徳用3曲パック>といった感じだった。
出場歌手というよりは、歌うスクールメイツといった扱いだ。

その後、美川憲一、鳥羽一郎、川中美幸、w-indsをはさんで中村美津子、北山たけし、長山洋子と、演歌勢が延々続いた。
視聴率争いの激しい9時台ではなく、前半にマイナーな演歌を歌わせる作戦ではないかと思った。

EXILEあたりから、歌と歌の間がとても短く、進行のテンポが速いということに気がついた。
舞台袖は戦場だろう。

アンジェラ・アキの『サクラ色』を気持ちよく聞く。

曲の合間に鶴瓶と中居君のトークが入るが、トークそのものではなく、場面転換の間を埋めるのが主目的であるため、引きが潔く、すぐに曲紹介に移っていた。

今年の紅白は昨年と比べて面白いんじゃないか?
そう思い始める。

布施明の『君は薔薇より美しい』は、タカラジェンヌのダンサーを従えた演出で、布施さんのキャラクターや曲のテーマと非常に合っていた。
そして企画もののコーナーへ。
これまでの紅白の寒さは、こうしたコーナーの演出におけるトホホ感が原因だった。
登場する歌手にやる気を出されてもトホホだし、出されなくても気が滅入るというジレンマに陥っていた。
今年は、アナウンサーのMCの後にすぐ『おしりかじり虫』のパフォーマンスへと移った。
歌に合わせて8歳くらい女の子達が踊る。
その数がハンパではない。
舞台はもちろん、客席通路まで埋め尽くしていた。

企画ものの後、アイドル三連発として、ALB48、リア・ディゾン、中川翔子が連続して歌う。
一人ひと枠ではなく、三人でひと枠。
『おしりかじり虫』の直後に歌わせる。
上手い歌手の前後に彼女らが歌うと、稚拙さが目立つだろう。
これも演出のたくらみだろうか。

実際、リア・ディゾンのパフォーマンスは良くなかった。
踏んだ場数の少なさが、大舞台で響いていた。
声はうわずっていたし、表情もこわばっていた。

中川翔子は、アイドルにしては上手いというレベルのボーカルだったが、心臓の強さを見せつけ、元気いっぱい歌っていた。

女性三組が歌い終わると、石井竜也の妙なスキャットが響き渡った。
「リアディゾン、リアディゾン!」
「しょこたんしょこたんしょこたんしょこたん!」
米米CLUBだった。

しょうもないといえばしょうもない。
だが、こなしたライブの場数の違いを見せつける貫禄があった。
まったく動じずにそれをやれるのはやはり凄い。

ここから先は、テレビに釘付け状態となった。

絢香とコブクロのパフォーマンスは文句なく良かった。
ポルノグラフィティは格好良かった。
寺尾聰はバックバンドが贅沢な音を出していた。

企画もの『ZARDメモリアル』は、余計な喋りはなしに、生前の彼女の映像を巨大画面に映し、生演奏と共演させていた。
ひたすら、歌のみだった。

小林幸子は、もう、なんだか、回転曼荼羅みたいなものを背負っていた。
たぶん、地球温暖化に拍車をかける類のエネルギーが使われていると思われる。

Gacktは、予想通り武将コスプレであった。
ステージから<伝令>を走らせ、その伝令をカメラが追うと、作り込まれた陣地のセットにたどり着く。
陣地には上杉謙信に扮したGacktがいて、決めぜりふの後演奏が始まる。
武将達を観客に見立て、鬨の声を上げさせるという演出が、素晴らしく決まった。
あそこまで決まると、格好いいとしか言いようがない。
実に演劇的。
劇団新感線の芝居を見るようであった。

大塚愛はバックダンサーの振りつけと衣装が曲の感じと合っており、見ていて楽しかった。
槇原敬之、氷川きよし、aikoは手慣れたもので、
(歌手って、歌うめえなあ)
と素直に思ってしまった。

これって、もの凄く重要なことだ。

中村中のきれいな歌声の後、平井堅は感情のこもったパフォーマンスを見せた。
企画ものの後、大御所北島三郎、天童よしみと続く。

すごい。
今年の紅白はスキがない。

だがこの時間、TBSにちょっと浮気をした。
桜庭と船木戦を見たのだ。
だが、案外あっけなく桜庭が勝った。
同じカードを7年前にやったら、ドームが埋まったろう。

紅白に戻る。
コブクロの曲。
鶴瓶のMCはとても感動的なものだったらしい。
後で知った。

中島美嘉は、歌はともかくメイクが怖かった。
ツタンカーメンの妹みたいだった。

一青窈は、コーラス隊と手話隊を従えて歌った。
秋川雅史は、昨年同様素晴らしい声で『千の風になって』を歌った。

そして、ドリカム。

吉田美和がどれだけ辛い思いを抱えてそのステージにいるのかを、皆が知っていた。
司会者はそのことに触れなかった。
美和さんは、元気いっぱいとは言い難かった。
辛そうだった。

だが必死に、死に物狂いで歌っていた。
命あるものの義務であるかのように歌っていた。

人生は素晴らしいとは限らない。
一寸先は闇という諺もある。
だが、光と闇は対の関係にある。
闇が深ければ深いほど、光はまばゆい。

愛する人を失った悲しみが大きければ大きいほど、失ったその人への想いは、研がれ、削がれ、磨き抜かれる。
歌がうまいとか下手とか、そういうことさえ超越する。
それは、祈りに似ている。

素晴らしかった。
歌が終わった時、テレビの前で拍手をした。
(ありがとう)
と思った。

ラストの4曲は、和田アキ子、森進一、石川さゆり、五木ひろしが歌った。
ただ単に大御所だから選ばれたのではない。
曲はすべて、阿久悠が作詞したものだった。
この構成はうまい。

すべて終了。
集計にうつる。
白組が勝った。
しかし、どちらが勝とうがどうでもいいという気持ちだった。
いいものを見させてもらった。
今年の映像を、来年<大物>に出場交渉をする時に使えば、うまくいくんじゃないか?

年明け。
木村カエラ目当てで『CDTV』見る。
しかしカエラはなかなか出ず。
懐かしの映像が沢山流れた。
1993年から2000年までのヒット曲など。

紅白から移動してきたaikoのパフォーマンスが良かった。
他に、Every little thing や、中島美嘉がいた。
中島美嘉はやはり、ツタンカーメンの妹みたいだった。
笑い顔が特に。
しかも滅多に笑わない感じがなおさら。

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