8月第一週の暑さ思い出

朝、イチジクを食べる。
そこそこおいしい。

猛暑日ではないけれども真夏日には違いない、8月最初の週の平日である。
特に書くことがないので、8月第一週にまつわる思い出話でも書く。

高校1年生の7月は色々予定があって面白かった。
夏休みに入ってすぐクラス合宿みたいなものがあり、蓼科に行ってカレーを作ったり山に登ったり肝試しをしたりした。
中学時代の友達とシアターアプルへ行き、ビートルズ主演の映画『ハード・デイズ・ナイト』を見たりした。

そんな予定が終わり、突然暇だらけの日常がやってきたのが8月だった。
本当にやることがなかった。
夜遅くまでテレビを見ているから起きるのは遅い。
それでも母親は情け容赦なく起こそうとする。
その起こし方が腹立たしかった。
カーテンを開け、直射日光がオレの体をまんべんなく照らすようにするのだ。

ただでさえ熱帯夜で寝苦しい夜を過ごしてきたのに、起き抜けで直射日光を食らってはたまったものではない。
とてつもなく不機嫌になり、起きてすぐ風呂場に行って水を浴びたのを覚えている。
その年の8月第一週は、とにかく暑くて暑くて暑かったのだ。

その頃俺は何をしていたのか?

友達の弟から借りたスーパーマリオブラザーズを一日中やって、夕方6時半頃に8面をクリアした。
辛いモノが好きになった。
心霊とか地縛霊の新書を買って、午後3時くらいから公園の日影ベンチに座って読んだ。
ドラマ『ヤヌスの鏡』の再放送を真っ昼間から熱心に見ていた。

せいぜいそんなところだ。

スーパーマリオは無限増殖術で8面クリアした。
今でも無限増殖術をやる場所は覚えている。

辛いモノが好きになった理由だが、昼飯のインスタント麺に胡椒やラー油を瓶の8分の1くらい入れて、激辛にして食べるのが習慣だったせいだ。
理由は、なにしろあまりにも暇だったので。

心霊本や幽霊本をなぜ家で読まなかったのかは、謎。
たぶん、怖かったんだろう。

『ヤヌスの鏡』は、キワモノドラマとして見ていたのだが、当時流行っていたドラマと今見比べると、『ヤヌスの鏡』が断然面白いから不思議だ。

そんな感じで8月はあっというまに終わってしまった。
「気まぐれオレンジロード」的なドラマもなかった。
暑さに目を覚まし、寝苦しさに苦しむ31日間だったと思う。
「あの頃に戻りたいか?」
と魔術師マーリンに聞かれたら、
「勘弁してください」
と答えるだろう。

だがまあ今は随分大人になったので、当時の俺に対して、
「ユーは夏に期待し過ぎ。待ってないで自分から好きにやっちゃいなよ」
とジャニー喜多川風に言ってあげられるのである。

無駄話を書くうちに昼飯時間が過ぎ、夜である。
土曜の丑にうなぎを食べていなかったので、今日食べることにした。
熱湯で身についたタレを洗い落とし、お酒をふってアルミホイルにくるんで蒸し焼き。
ホイルを開けて、添付のタレをかけ直して、表面を焼いて完成。
ガッテンレシピによれば、買った時から身についているタレをお湯で落とすのがポイントらしい。
確かに、落として蒸し焼きし直すと、フワッフワになる。

鰻丼、お吸い物、カボチャサラダ、冷や奴、キムチを食べる。
キムチを食べていつも思うが、結局キムチとご飯だけで、あとはおかずなどいらないんだよな。
キムチが、明太子やたらこや浅漬けに変わっても同様。

腹が落ち着いてからジョギング。
日大通りから阿佐ヶ谷まで往復。7K。
短い距離でも汗の量がすごい。
冬なら、その2倍走らないと出ない量だ。