釣る夜

9時起き。
冷凍野菜と野菜ジュースで、簡易カレーを作って食べる。
あっという間に出来るのが利点。
トマト味が前面に出て、やや酸味が強かった。

『大系黒澤明』4巻読了。
ロジックの人ではないなあと思った。
作品のテーマや主張には、首を傾げたくなるようなものが時にある。
だが映画の中に必ず美がある。
日本語がわかる人は、美に触れる以前に言葉に反発してしまうのかもしれない。

雨が上がり、見事な秋晴れとなった。
夕方、高円寺の上州屋でルアーを買う。

7時過ぎ、実家に帰る。
オムライスを食べる。

父の自転車を借り、東葛西のイトーヨーカドーへ行く。
無駄に大きい。
入ってすぐ閉店の音楽が流れた。
左近川沿いに帰る。

12時まで実家PCにインストールしてあるVineLinuxを動かす。
さくらインターネットで独自ドメインを運用しているが、IMAP4メールが使えるらしかったので、メーラーの設定を変更する。
これでどこからでもメールチェックができる。
便利な時代になった。

12時過ぎ、竿とリールにルアーを直結びし、自転車で荒川に向かう。

京葉線の陸橋あたりで自転車を停める。
荒川で釣りをするのは十数年ぶりだ。
土手のてっぺんに登り、河口に向かって歩く。

土手の下にあるテトラポットがなぜかとても怖くて、下りる決心がなかなかつかなかった。
1分ほど逡巡してから柵を跨ぎ越し、テトラポットの間を通り抜けた。

真っ暗で周囲には誰もいなかった。
月明かりと鉄橋の明かりが、川面と土手をわずかに照らしていた。

闇の中でびくびくしていた。
なぜ怖いのかわからなかった。

デジカメで対岸の夜景を撮り缶ビールを飲む。
竿を伸ばし堤防の縁に近づきルアーを投げる。
潮は引いている。
リールを巻く。
その動作を繰り返した。

目が慣れてくると、遠くの方で釣りをしている人の影が見えてきた。
一人じゃないのだと思った。

1時過ぎから潮が満ち始めた。
河口まで歩く。
臨海公園の方から、若い男が遊んでいる声が聞こえた。

星がきれいだった。

河口でひたすらキャスティングを繰り返した。
背後に気配を感じ振り返ると、白猫が丸くなってこちらを見ていた。
テトラポットを住処とする野良猫かもしれない。

3時を過ぎたあたりで、だいぶ潮が満ちてきた。
鉄橋の下まで移動し、キャスティングを繰り返す。
正直なところ、釣れるとは思っていなかった。
一人でこういうところに来て、釣りをしてみる体験が、自分に必要だと思ったのだ。
それでも魚がはねる音がすると心が浮き浮きした。
釣りが大好きだった、子供の頃を思い出した。

4時半に竿を納めた。
明るくなりつつあったし、眠くもあった。
漠然と感じていた不安や恐怖感を克服できたのだから、いい引き揚げ時だとも思った。

自転車に戻り、朝焼けを写真に撮りながら実家に帰る。
10分ほどで帰宅。
シャワーを浴びると、父親が起きてきた。
「おはよう。早いな」
と言われ、
「うん」
と答えた。

今度は、ちゃんと釣りをするために、行ってみたいと思った。
なるべく近いうちに。

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