迫る天王山

朝、荻窪の「天亀そば」でカツ丼食べる。
24時間やっている立ち食いそばで、ここのカツ丼はなかなか鋭い。
安くてボリュームがあり、ムダがない。

ラーメンにしてもカツ丼にしても、まずいよりはうまい方がいいけれど、美味さや旨さを求めているわけではない。
いや、うまささえ、求めていないかもしれない。
食べおあった後、
「食った食った」
と心の中で思えればそれでいい。
まずければ、そんな風に思えない。

ラーメンも、どろっとしたスープの店が増えたが、「天下一品」で間に合っている。
あんまり、どろっとしないで欲しい。

脱稿が近づくと食欲が増す。

夜、西荻北へ。
その場にいる人をついばみ、稽古を見つくろうとでも表現したくなるような稽古。

エリカは、色々な自分になろうと試行錯誤してきた。
超ぶりぶり時代、おしとやか時代、不思議ちゃん時代、元気はつらつ時代。
ある日、本当の自分が誰なのかわからなくなり愕然とする。
なろうとしてきた自分を剥がすと、現在のような喋り方になった。
それは中二の自分にそっくりだった。
結局自分は変わっていない。
変わろうとすると立ちはだかる、中二のわたし。
そいつを倒せば、本当の自分が見つけられる、かも。

塚本は後半を、まるで舞台の演出をしているかのように過ごす。
地球に近づいている隕石の名前はウーララ。
新聞でそれを見て、今度の芝居のタイトルに使えるなと思う。

ゆみは、作者にあまり書き込まれていない登場人物という設定。
これからどのような人間にでもなりうる。
可能性の示唆。

かりんの長セリフを稽古する。
翠ちゃん、どうすればいいかまるでわからないと言う。
こういうのもある、こういうのもあると、色々なあり方を提示したため、選択肢が増えすぎてしまい、かえって選べなくなった。
方向を戻そうと伝える。
翠ちゃんは困惑している様子だったが、色々やった上で元に戻るということはむしろプラスになる。

台本脱稿間近だが、全体を通して見てこれがどんな芝居になるのかは、まだわからない。
つまらない箇所は徐々に減りつつある。
制作諸作業その他、仕事もたまっている。
今週が勝負だ。