7時過ぎ起き。
昨日は久しぶりに、
(飲んだなあ)
と言えるほど飲んだ。
幸いなことに、吐くこともなく、寝過ごして高尾や大月や河口湖まで運ばれることもなく無事帰宅。
速攻で寝て起きたら、二日酔いはなかった。
朝飯は抜いた。
胃を少し休ませた方がいいと思った。
で、「贅沢な肉」のビデオ編集の続きをした。
ラストまでとりあえず終了。
細かい修正は必要なのだが、とりあえず芝居がわかる程度にはできたということ。
昼、お粥とサラダとさばの水煮食べる。
午後、映像をDVDに焼く。
ところが何度やってもうまくいかない。
見ると、作ったイメージファイルがDVDの容量よりも大きかった。
別のソフトで調整する。
3時前に家を出る。
御徒町へ。
多慶屋で、ふ菓子をふたパック買う。
御徒町で働いていた頃、仕事帰りによく多慶屋には通ったなと思い出す。
新御徒町へ。
4時に、浅香、銀ちゃん、千ちゃんと待ち合わせ。
大学の演劇部の同期4名。
今日は、先輩の黒田さんがやっているピザ屋に、4人で行こうということになったのだ。
数日前、トツゲキ倶楽部の稽古場を地図で調べていたら、大江戸線の春日駅下車で稽古場に行く日があった。
それが今日。
そして春日駅からちょっと東へいけば、新御徒町がある。
新御徒町近くで、黒田さんがピザ屋をやっていることは知っていた。
いつか行こうと思っていたので、
(日曜日行けるじゃん)
ということになり、浅香と銀ちゃんにメールした。
時間調整の後、千ちゃんも行けるということになった。
すべて、ばたばたばたと慌ただしく決まったこと。
ただ、ネットで情報を見ても定休日がよくわからなかったので、金曜日にお店に直接電話してみた。
「日曜日はやってます」
と、黒田さんの奥様に言われたので、
「では、塚本で4人、予約をお願いします」
と、予約をしたおいた。念のためだ。
そして今日、集まったというわけ。
気軽な感じに集まったわりに、4人がそろうのはたぶん十数年ぶりだ。
千ちゃんは去年くらいからメキシコで暮らしている。
農園でコーヒーを育てている。
秋にメキシコに本格的に移住するらしい。
「黒田さん、ひょっとするといないかもしれないよ」
オレは言った。
「えー? 黒田さんと話してないの?」
と浅香。
「いや、稽古に行く前に、オレ一人でぷらっと寄るつもりだったんだ。でも浅香、今度一緒に行こうって行ってたの思い出して」
そうだ。いないかもしれないのだ。
不安になった。
「まあ、いなかったらメッセージ残せばいいじゃん」
そう言いつつも、ドキドキしながらお店に向かった。
ヤキタテピザ佐野御徒町店。
銀ちゃんが、店の中に手を振った。
中折れ帽をかぶった店長とおぼしき人が、怪訝そうに我々を見ていた。
黒田さんだ。
店の中に入る。
「今日予約していた塚本です」
黒田さんは、数秒間固まった後、
「…ああ、塚本さま…、そういうことね」
と言った。
どうやら、オレが「塚本です」と伝えた名前を、奥さんは「フカモト」と聞き違えたらしい。
「ではフカモトさま4名様ですね」と奥さんが言うのを、オレもまた聞き違えたのだった。
予約席に座る。
黒田さん、ヒゲは白くなっていたが、帽子を取ってもらうと髪は黒く、外見はあまり変わっていなかった。
帽子は、なんだかかつて黒田さんが出ていた芝居の衣装のようにも見えた。
ピザのMサイズを4つと、飲み物を頼み、しばし同期4人で談笑。
ピザは黒田さんが一枚ずつ焼いては持って来てくれた。
本当に、焼きたてピザなのだ。
焼きたてを、すぐ食べる。
当然のようにうまい。
ワインが飲みたい。ビールが飲みたい。
稽古前なのでそれは無理だったけれども。
内装はウッディで清潔。
4人テーブルふたつとカウンターというこぢんまりとした作りだが、がやがやしてないので、たっぷり会話を楽しむのにぴったり。
ヴィレッジバンガードダイナーの西荻窪店と、規模が似ているかもしれない。
中央線沿線にありそうな感じ。
だが、そんなお店が、粋でいなせな、日本で二番目に古い佐竹商店街沿いにある。
この佐竹商店街、オレには非常に心地よい。
本日、大きな祭りがあったらしく、半纏を着たあんちゃんがそこかしこを歩いていた。
下町の風景。
その、ようすの良さったらなかったね。
お店に入る時、先客がいて、それが半纏あんちゃん達だった。
一人はふんどしだった。
台東区の、ガキの頃から御輿を見慣れてるようなあんちゃんが、祭りの時に半纏着てふんどし姿になっても、「オラオラ」感はぜんぜんないのだな。
そういうもんだ、とわかって、自然体でそこにいる。
写真撮りたかったけど、撮らなかったね。
何食わぬ顔でピザ食ってこそ、だろう。
ピザは美味しかった。
Mサイズを4枚頼んだが、Sで8枚とかにしても良かった。
でも、焼く黒田さんが大変だろうと思って、そうしなかった。
黒田さん、お店が落ち着いてから話しに加わってくれた。
昔話。
「照明のディム、学祭のお好み焼きで70万儲けて買ったんだろ」
と黒田さん。
「違いますよ! あれは部員がカンパして買ったんです」
と浅香。
「どうしてそんなによく覚えてるの?」
と銀ちゃん千ちゃん。
デザートにソフトクリーム乗せコーヒーゼリーを頼んだ。
このソフトクリームが、牧場で食べるように濃厚なやつで、とても美味しかった。
5時45分、稽古があるので、先に辞去する。
もっと色々話したかったが、とても美味しく楽しい時間を過ごせたので、満足したと言うべきだろう。
「黒田さん、一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
「おう」
黒田さんとお店の外でツーショットの写真を撮った。
その後、千ちゃん銀ちゃんも加わり4人で撮る。撮影者は浅香。
名残惜しかったが、商店街を走り、春日の稽古場へ。
10分ほど遅れて到着。
シアターゲームに途中から参加。
その後、横森さんの誕生日をお祝いする。
各人が500円未満のプレゼントを買ってきて、一つずつ渡す。
オレは、多慶屋で買ったふ菓子。
その甘みと食感で、時には自分を甘やかして下さい。
稽古。
たかりょうくんが休みだったのでそれほど出番はなかったが、1幕目の終わりに向かう場面の稽古では、そのシーンに自分がいる、という状況を繰り返し経験出来た。
発見の驚きも、場面を返す毎に大きさが違う。
その感じが面白い。
はける時に、狭い隙間を横向きで通り抜ける。
これが、かなり楽しい。
スピーディーにはけるには、カニ歩きをしないといけない。
トツゲキCLUBで、トツゲキCRABになるという、ね。
横森さんの誕生日祝いケーキは巨大モンブランだった。
昔、嘉門達夫のアルバムで聞いた曲の影響で、
「モンブラン? ああ、蕎麦が乗ったやつね」
と必ず聞き返す自分がいる。
今日のモンブランには蕎麦が乗ってなくて残念だった。
黒田さんの店でピザとアイス、稽古場でモンブラン。
もう今日の夕食はいらない、と思った。幸せなことだな。
9時過ぎ、稽古終了。
水道橋から総武線。
乗った車両は空いていた。
椅子に座ると匂いがした。
ソースの匂いかな?
だが、向かいのドアの下に、吐瀉物があった。
車両を三つ移動した。
立った。でもいい。
西友で千切りキャベツを買って帰宅。
Facebookで黒田さん関連の顛末をやりとり。
シゲから、夏の飲み会はオレ幹事で、と書かれる。
思いがけないゲスト、という飲みが出来たら楽しいな。
伝説のDさんとか、Oさんとか、Yさんとか、Kさんとか、オレより上の世代の人々。
なにより、オレがお会いしたい。