4時半に起きた。怖い夢を見ていた気がするが、夢の中で(こういうのは落ち着いていれば何でもないのだ。落ち着くためには腹式呼吸だ。それもヒクソン流だ)と思い、腹式呼吸していたら、怖い夢が消滅するとともに目が覚めたのだった。
外は薄暗かった。朝飯を食べるにも起きるにも早すぎたので二度寝し、6時に起きた。
トマトがまた鳥につつかれていた。かぶせていたネットをくちばしでめくったようだ。かぶせ直し、洗濯ばさみで止め、物干し竿から紐を垂らし、実の近くにCDを結んでぶら下げた。
鳥害よりも尻腐れ病が気になっている。いくつかの実が罹患しており、尻の部分が黒ずんでいる。カルシウム不足が原因らしい。調べると、茂りすぎた葉にカルシウムをとられてしまうらしく、対策として実の反対側の葉を切り落とすというのがあった。すべての実にそれをやるのは無理だと思ったので、代わりに下葉かきを少しした。
ローストビーフとトーストを朝食に食べる。安肉。玉ねぎと醤油と酒の漬け汁に漬けるので柔らかい。今まで高い肉で作ったことがない。グラム1000円以上する肉で作れば、肉そのものの味を楽しめるのだろうが、いい肉はステーキで食べた方が美味しいような気がする。
焼くとき、キッチンにあるレシピメモをめくったが、10年以上前にメモした焼き時間が書いてあった。今年の1月ごろ、やたらに作っていた時、温度と時間を変えたはずだ。自ブログを検索するとすぐ見つかった。120度で1時間。昨日はその焼き方で作ったので、仕上がりはほんのりピンク色になった。よほど大きい肉でなければこの時間配分でいけるんじゃないか。
いい天気だった。汗をかきたくないので自転車をゆっくりこいで仕事へ。駐輪場が埋まっていたので、英語で悪態をつきながら別の場所へ移動する。
デスクにラップにくるんだドーナツを置いた。一昨日買った4個入りのうちのひとつ。この前ファミマでドーナツをひとつ手に取り、カロリー表記を見て驚いた。500キロある。カップヌードルビッグより高い。一昨日買ったやつはひとつ200くらいなのでおやつにちょうどいい。
オフィスにドーナツ。写真に撮れないのは残念だが、珍妙な組み合わせだ。フルメタル・ジャケット。デブ!貴様は強靭に生まれ変わった!
昼、「大勝軒」で中華そば食べる。スープは残す。
千葉雅也『勉強の哲学』読む。アイロニー=ツッコミ、ユーモア=ボケという言い換えが面白い。勉強とはどういうことなのか、その考え方をはじめとする脳にインストールする本。読むことで、勉強哲学の思考法を経験していくという感じだ。
午後、手すきになる。
ぼんやり、「万引き家族」のことを考える。
子供がかわいそうな目に遭う映画に弱く、いとけなき子が悲しそうな顔をしていると涙腺に激痛が走り、ぎゅーっと絞られてぴゅーっと放出する。
「万引き家族」も、様々な場面で、目からグレーの涙をドクドクと流していたのだが、そういうときの顔は、大抵、殺人鬼みたいになっている。眉間に皺が寄り、目は三白眼、ふるえる唇からは食いしばった歯がのぞき、呼吸は荒くなっている。そして、目からどす黒い液体を流しているのだから、前の席の人が振り返ったら、相当怖いものを見ることになるのだろう。こっちの心情は殺し屋ではなく、若干おばちゃんふうの女言葉混じりに、やだ、かわいそう、だめよ、やめて、などと心の中でつぶやいている。それもまた怖いか。
ただ、涙腺崩壊とか、涙が止まらないとかいう感想のある作品は、泣けんねえ。
下品なたとえだが、「ボクはセックス超うまいです。絶対気持ちよくしてあげます」なんて宣言する男のセックス、気持ちいいはずないだろう。泣ける・感動する系の映画は、似たような気持ち悪さを感じる。
夕方、サミットでアボカド、ピーナッツ豆腐買う。同じビルの百均で支柱とクリップ買う。
三脚に渡した支柱の真ん中に補強用の柱を立てた。トマトの葉が蚊のマンションになっている。刺せコノヤローと猪木ふうに挑発。
W杯、日本とコロンビアの試合を見た。
8時半過ぎからテレビをつけた。岡ちゃんが解説だった。ここまできたら、ただもうやるしかないということを、簡潔な言葉で語っていた。そして、選手が非常に落ち着いていることを評価していた。
試合が始まって6分後、日本のシュートをハンドで防いだことで、コロンビアにレッドカードが出た。PKを香川が決め、日本が先制した。コロンビアは10人になった。ハンドがなければシュートは決まっていたんじゃないかと、VTRを見て思った。しかし、それだとコロンビアの猛攻は凄まじいものになっていただろう。しかし、西野チームはもともとそういうことも折り込み済みでプレイしていたように思われた。岡ちゃんの言うとおり、とても落ち着いていた。
前半40分前後だったか、日本がイエローを出し、コロンビアがFKを得た。これを、壁の足元を抜く形でゴール。川島は止めたが、ボールはゴール内に入っていた。
同点でハーフタイムを迎えた時点でテレビをはじめとする消した。何となく、後半はやられてしまうんじゃないかと思った。見る勇気がなかったというより、オレが見ると負けるジンクスがあるのだとしたら、見ないことが応援ではないかと思った。
10時を過ぎた頃だったか、近くのマンションから「よっしゃ!」「入った?」という、父と息子らしき声が聞こえた。もしや、日本が得点したのかと思い、テレビをつけた。スコアは1ー1のままだった。香川と本田が交代するところだった。
直後、本田のコーナーキックから、大迫がヘディングで得点した。「よっしゃ!」と、近所の父子と同じような声を出した。
後半のアディショナルタイムがわかったとき、岡ちゃんは「5分!」と、長さに驚くような声を出していた。解説者ではなく、すっかりファンの気持ちになっていた。日本は最後まで守りきり、初戦を勝利で飾った。
いやー、勝ったなあ、と、しばらく呆然としていた。岡ちゃんの解説は聞いていると気持ちが落ち着いた。熱血論、精神論、技術論、いずれにも偏らず、バランスがよかった。
一昨年の五輪、今年の冬季五輪を思い出した。開会前はそれほど盛り上がっていなかったのに、始まってみるとメダル続出。
今回のサッカー日本代表も、たたずまいに共通するものがあるような気がする。
1時半就寝。