ド素人自覚

朝、6時前に目覚ましをセットしていたが、起きられなかった。朝まずめにバイブレーションで釣りをしようと思っていたのだが、寒さと眠気に勝てなかった。昨日走ってなおかつ釣りをした肉体の疲労にも勝てなかった。負けて負けて負けきった。弱パンチからの投げ技、ソニックブーム、サマーソルトキックを食らった。
「くにへかえるんだな。おまえにもかぞくがいるだろう」
飛び起きた。7時半だった。実家だった。
「あんたどうしたの。血だらけじゃない」
「ガイルのハメ技食らって」

鼻血を止め、朝飯を食べ、ブログを更新した。ふとマーポー豆腐が食べたくなった。夕食に作ろうと思い、10時過ぎにOKストアへ行った。豚ひき肉、豆腐、甜麺醤、中華スープの素を買った。陳建一レシピで作りたかったのだが、必要な豆鼓醤と花椒は売っていなかった。
西葛西駅周辺に中華食材専門店はないか検索してみると、南口の郵便局向かいに西葛西物産という店があった。行ってみた。ごく普通のビルの4階にあった。缶詰や調味料の類がたくさんあった。
豆鼓醤を探す。置いてある品物が多く、中国語表記だったので、探すのに手間がかかったが、なんとか見つけた。花椒もあった。
缶ジュースも売っていた。サルサパリラと椰子の実ジュースを試しに買った。

昼前に帰宅。マーポー豆腐のタレを先に調合し、冷蔵庫にしまっておいた。

サルサパリラを飲んだ。ルートビアの味だった。嫌いではない。

昼飯を食べに、近くの「宝亭」へ行った。特製中華そばを食べた。野菜あんかけ醤油ラーメンだ。500円。安い。

家に帰り、3時頃に釣りに行こうかと考えていたが、明るいうちからバイブレーションで釣りをするのが目的だったので、だったら暖かいうちがいいと思い、2時過ぎに行くことにした。

旧江戸川の、消防訓練広場のどんづきで釣りを始めた。潮は上がっていた。ルアーは上流に流された。
バイブレーションを投げ、シーバスハンターを投げ、スーサンを投げた。投げては、下流に少し移動した。
アタリはなく、魚の気配もなかった。居着いているシーバスはおらず、釣るには、回遊してくるのに出くわすしかないようだった。
だったら移動しなくてもいいようなものだが、釣り場の経験値を上げるために移動した。

ゴロタ石のところを、石から石へ渡るように移動していた時、流木の枝のところがジーンズのすそに引っかかった。あっという間もなく躓いて、前に倒れた。地面は岩だった。両腕と胸でまんべんなく受け身がとれたが、右足の脛を岩の角で傷つけてしまった。もし真夜中に、水際で転んでいたら、もっとひどいことになっていたかもしれない。初転びが明るいうちだったのはラッキーだった。でも痛かった。弱パンチからの投げ技、ソニックブーム、サマーソルトキックほどではないが。

上流に移動し、東西線の鉄橋近くで釣りを再開した。そのあたりは川幅が狭くなっており、時々通る船にルアーが当たらないよう気をつけないといけなかった。対岸の浦安市に船宿があり、海から戻ってくる船によって、波がひっきりなしに打ち寄せていた。そんなところにシーバスはいなさそうだと、ルアーを投げながら思った。
下流に移動しながらバイブレーションを中心に投げたが、釣れる予感はしなかった。
シーバス釣りのことをネットで調べると、ベイトがいるかいないか、濁りがあるかないかなどの記述がよく見られる。しかし、水面を透かしてベイトを見たことはこれまで一度もない。偏光サングラスをしてもわからなかった。
ポイントの知識も、流れやレンジの知識もない。ド素人なのだ。そのことを肝に銘じつつ、日没前までキャスティングを続け、納竿した。

5時過ぎ帰宅。両親が大相撲の千秋楽を見ていた。貴景勝が優勝した。貴乃花親方のところにいた力士らしい。廃業してから弟子が優勝するなんて、間が悪いことだと思った。

麻婆豆腐を作った。陳建一レシピは辛くて美味い。びっくりするほど汗が出た。

昨日まで六日連続で10キロ走ったが、今日はやめることにした。午後延々と釣りをして、夕食をたらふく食ったあとで、さらに10キロ走るなんて。オレは天下一武道会に出たいわけじゃない。

8時に実家を出た。大手町で丸の内線に乗り換えた。子供の頃から馴染んでいた乗り換え通路が、ずいぶんとお洒落になっていた。ビルを建て替えたことによるものだろうか。しかし、丸の内線改札に近いところの通路は昔と同じだった。

9時過ぎ帰宅。

アイスが食べたくなり、セブンで、トップスのチョコバーと、練乳クリームの棒アイスを買った。トップスのアイスは、予想通りナッツが入っていたが、クルミではないようだった。惜しい!
素人に「惜しい」と言われると、プロはきっとムカつくだろう。「惜しい」は、傲慢な言葉だ。使う奴は何さまだ?

『戦争と平和』2巻読む。
アンドレイ公爵の帰郷とリーザの死。リーザは、かわいそうに、産褥死してしまう。もしこの時リーザが死んでいなかったら、アンドレイ公爵は優しいダーリン、かつ、パパになっていたはずだ。
実家に帰省したニコライは、ドーロホフと友達になる。父のロストフ伯爵は、バグラチオン公爵歓迎の宴を仕切ることになり、金に糸目をつけず、料理大盤振る舞いのパーティーを開く。その席で、ピエールはドーロホフに決闘を申し込む。理由は、妻のドすけべザウルス・淫獣エレンが、ドーロホフとできていると思ったから。
決闘でピエールの弾丸は、ドーロホフの腹に当たった。ドーロホフの弾はそれた。決闘に勝ったピエールは、だが、モスクワを去る。
ドーロホフが怪我の療養をしている時、ニコライは彼とさらに親しくなり、傷が癒えた頃、家に招く。ナターシャは彼を好かない。理由は、ソーニャに夢中になってしまったから。
しかしソーニャはドーロホフの求婚を退けた。ドーロホフはロフトフ家に顔を出さなくなった。
ドーロホフはニコライをカード賭博に誘う。そして、4万3千ルーブリも負かしてしまう。ニコライは自殺を考えるほど落ち込む。自宅に戻り、父にそのことを伝えねばと思うが、父はまだ帰っていない。妹ナターシャが歌い始める。聞くともなしに聞いているうちに、その歌に、その美しさに惹かれ、気がついた時、ニコライは別のパートを口ずさんでいる。ここはいいシーンだ。
ロストフ伯爵帰宅。ニコライは捨て鉢な気持ちで、誰にだってあることだと言い切り、借金を申し込む。父は驚いていたが、しょんぼりとなり、そうだよなと背を丸くする。その姿を見て、息子は、たまらなくなり、父に抱きつき、謝り、涙涙涙。

2巻はドラマだらけの巻なので、1巻でしっかりと人物把握をしておけば、全体の中でもっとも面白い巻だ。
ニコライがナターシャの歌を聴く場面は、最悪の時に崇高で美しいものを発見する場面だ。そういう場面が多い。
最悪と最高の振れ幅が大きいのは、トルストイの特徴なのか。19世紀ロシア文学全体の特徴なのか。
あるいは、ロシア人というものの特徴なのかもしれない。