戦争と平和2巻読了

蜷川幸雄に稽古をつけられる夢を見た。
例によって、稽古前に準備が足りなくて焦るというパターンだった。オレは手品を披露する役だった。ハンカチで、ドミノ倒しのドミノを隠し、ハンカチをどけるとドミノが消えているという手品だった。だが、そのドミノを持ってきていなかった。別の場面の稽古が進んでいた。次は自分の番だった。稽古場の周りをうろうろして、地面に敷かれている小石をポケットに入れ、ドミノの代わりに使うことにした。
自分の番が来た。小石をつまみ、今からこれを消してみせますということを言ったが、石のサイズは5ミリくらいしかなく、ハンカチをかぶせて消しても、見ている方にはなんだかわからないようだった。とっさに、これはボケに使えると思い、次に大きな、トランクケースくらいある石にハンカチを被せようとした。でかすぎて隠れない。そこでお客さんに泣きを入れるというネタにしようと思い、情けない声を出した。

部屋に響く自分の声で目が覚めた。激ヤセしたターザンのような声を出していた。隣にジェーンが寝てなくて良かった。

昼、山田屋でワンタンメン。車椅子のご主人に「ごちそうさま」を忘れずに言う。

『戦争と平和』2巻読む。
ニコライはソーニャとの結婚を望むが、母は許さない。ソーニャは貧しく、家の財政を立て直すには、ニコライに富裕な他家の令嬢と結婚してもらわないといけなかったから。
おとっつぁんのロストフ伯爵は、自分の放漫経営のせいでこうなってしまったという負い目があり、息子に強く言えない。
ピエールは、アンドレイ公爵の婚約を聞いた直後、フリーメーソンの師であるヨシフ・アレーセーエヴィチの死を知り、酒と遊興の日々に戻ってしまう。
モスクワにボルコンスキイ老公爵が引っ越してくる。フランスブームの終わったモスクワで、老公爵は尊敬を受けるが、寄る年波のため癇癪を起こすことしばしばで、とばっちりはマリアに向かった。

2巻も大詰めだ。この後、淫乱エロチカ痴女エレンと、バカスケベ淫魔アナトーリの兄妹コンビによる、あれがあって、そこにドーロホフも一枚噛んでいて、ピエールがリングインするのだ。

夜、広島風お好み焼きが食べたくなり、フライパン二つを使って作った。すごい量になったが、キャベツによるものだ。
小麦粉と水を100mlずつでとき、フライパンAに流す。その上に鰹節を敷き、キャベツ、もやし、ネギ、豚バラ肉をのせ、上から余ったとき粉をかける。
フライパンBにあけるようにひっくり返し、野菜を蒸し焼きにする。空いたフライパンAで焼きそばを作って、円状にならしておく。フライパンBの野菜がいい感じに蒸されたら、ひっくり返さずにフライパンAのやきそばにのせる。空いたフライパンBに卵を割り入れ、フライ返しで丸く伸ばす。フライパンAのお好み焼きをまたひっくり返さずにBに乗せる。そして最後に、それらをフライパンAに、ひっくり返して、最後の焼きを入れる。

まあまあだったが、野菜が多すぎた。

『戦争と平和』2巻、いよいよラストだ。
オペラでナターシャは、エレンとアナトーリに会う。アナトーリはナターシャを見て、よし、こいつをさらってこましてやろうと思う。エレンは、それはいい考えだと思う。
ナターシャをさらう計画に、ドーロホフが協力する。アナトーリはバカなので、協力することで金をせしめられるのだ。しかし、実行前に一応、こんな愚劣なことはやめたらどうだと忠告する。しかしアナトーリはバカなので、自分の下半身がギンギンなのは正しいことなのに、何を言ってるんだという反応をする。それを見てドーロホフは、バカだなあと思いながら言わずに冷笑する。
ソーニャがアナトーリの手紙を発見。ナターシャを問い詰め、結果的に頑なにさせてしまうが、誘拐計画は露見する。忍び込んだアナトーリは、捕まるところだったが、ドーロホフの機転で逃げおおせる。
ナターシャはアンドレイ公爵との婚約を破棄する手紙をすでに送ってしまっていた。ピエールは、アナトーリが妻帯者であることを知っていて、ナターシャに伝える。ナターシャは絶望する。ピエールは、アナトーリに怒りを覚え、屋敷に乗り込み、胸ぐらをつかむ。ピエールは大男の力持ちなので、アナトーリは怯えるが、すぐに虚勢を取り戻し、僕を侮辱しましたね的なことを言う。
ナターシャはヒ素を飲み、自害しようとしたが、幸い助かった。ピエールは、ナターシャを守ろうと強く決心する。

2巻読了。
ナターシャがアナトーリに誘惑されるくだりについて、初めて読んだ時は、なんて尻軽な女なんだと怒りを覚えたものだった。しかし今は違う。彼女はまだ二十歳前だ。本当の恋をしたばかりなのに、一年会えない状態が続いていた。アナトーリのようなベテランスケコマシのロリコン竿師にかかっては、そんなウブ子ちゃんはひとたまりもないだろう。アナトーリの正体を知った時の絶望を思うと、心底かわいそうになり、思わず涙してしまった。

2巻は「平和」の巻だった。3巻は「戦争」の巻となる。2巻の物語は、登場人物に自由意志があって、自分で選んだ結果の因果がめぐる展開だった。しかし、3巻は戦争という巨大な出来事に、人々の運命が大いに翻弄される。まるで自由意志など存在しないかのごとく。