『華氏451度』読了

7時半起き。ファスティング3日目だが、体はそれほどきつくなかった。

昼、味噌汁だけ飲む。

『華氏451度』読了。
作品自体は再読だったが、新訳版だったので、初読のような気がした。
近未来を舞台にしたディストピアSFとして1950年代に書かれた。初めて読んだのは90年代。そして2010年代の終わりに再読したわけだが、近未来小説ではなく、現在を戯画化して描いたサタイアになっていると感じた。
あらゆる書物が禁じられた社会が舞台になっているが、人々は科学がもたらす架空の五感刺激に満足しており、そのことに疑問を持つ者はわずかになっている。これって、書物をなにかの喩えに言い換えた、現在の姿ではないか。
キャラメルボックスが活動を休止したのも、現在がそんな「現在」になったことの、ひとつの現れではないだろうか。ビジネスの問題で片付けようとすると、ますます現在の「現在」化が加速していくような気がする。

効率化、無駄の排除、しかし突き詰めると、そもそも人類そのものは無駄ではないのかという疑問が沸く。かといって、無駄だと結論づけることを人類に属するものがしてしまうと、ホロコーストの過去が蘇る。

12時過ぎに床についたが、眠れず。
起きて、3時までスマホを見たりしながら過ごす。