自転車点検待ち、散歩と夕陽

朝8時前起き。久しぶりに米を鍋炊き。朝飯にごはん、納豆、きゅうりぬか漬け、唐揚げ、大根と小松菜の味噌汁。

昼前に家を出る。自転車で荻窪へ。サイクルスポットに自転車を預け、ひと月点検を依頼する。4時までかかると言われた。

『丸信』で中華そばを食べようと思っていたが、シャッターがおりていた。どうしようかなと思い、以前住んでいた部屋に近い青梅街道沿いに三年前くらいにできた味噌ラーメンの店に行ってみることにした。

『味噌っ子ふっく』という店で、以前は『四麺堂』というジローインスパイア店が入っていた。その頃はたまに行った。『ふっく』になってからは行列店となり、今日も八人くらいがすでに並んでいた。

最後尾に付き、『花影』を読みながら順番を待った。二十分ほどしてから中に入った。担々麺を頼んだ。オプションの山椒増しをしたせいか、舌がけっこう痺れた。

食べ終わると1時を過ぎていた。腹ごなしに散歩をした。

銭湯『GOKURAKUYA』の横を過ぎると、家の前に巨大なオブジェが置いてあった。彫刻作品だった。『HORIZON』『海洋地形学の物語』というタイトルの作品があった。後者は、イエスの二枚組アルバムのタイトルと同じだ。彫刻は一軒家の前に置かれていた。雨ざらしだったのて、捨てられているのかと思った。

以前住んでいたマンション前へ。一階にあった『結いの家・上荻』というデイサービスがなくなっていた。

青梅街道を歩く。武蔵野うどんの店『豚や』に十人以上の行列ができていた。

荻窪八幡へ。お賽銭を11円入れて、民草の安寧を祈った。

そうやって散歩をして、2時を過ぎたあたりで駅の方まで歩いた。まだ自転車引き取りまで2時間あった。ベローチェに入り、アイスコーヒーを飲みながら、スマホで『三國志』をやり、『花影』を読んだ。

『花影』読了。主人公葉子のモデルは大岡昇平が何年も関係を持っていた女性らしい。葉子は戦前から女給をしており、戦後も水商売暮らしを続けてきた。教師、弁護士、テレビのティレクターと男を替えるも、葉子は常に高島という骨董評論家と肉体関係なしのつき合いを続けてきた。高島はまるで葉子のヒモのような存在で、彼女が甲府在住のシャチョさんと関係を持つのを取り持ち、飲み代のツケを払わせたりする。結局、シャチョさんとの関係は高島のためにおじゃんとなり、生活に疲れた葉子は、もういいやって感じで、投げ出す。
モデルとなった人物は、葉子よりも才気絢爛たる人物であったらしく、その辺を白州正子が批判したらしいが、これは、男の目から見た女という描写をされたからそうなったのではないかと思った。開高健『夏の闇』もそうだった。

4時半、サイクルスポットで自転車を受け取る。そろそろ日が沈む頃合いだったが、まだ明るかった。ひょっとするときれいな夕焼けが見られるかもしれないと思い、善福寺川に沿って和田堀公園に向かった。

夕日ヶ丘広場で夕陽を眺めた。スマホカメラのISOを100に固定し、シャッター速度を調整して写真を撮った。

5時半帰宅。
昼に食べた担々麺が腹に残っている感じがした。

武田泰淳『富士』読み始める。ほんのさわりだけ。