お金を拾った話

5時起き。6時半まで書き作業。
朝飯にすき焼きの残りを卵とじにして食べる。

母、先日ATMで3万5千円を拾った話をする。備え付けの電話で連絡すると、係の人はすぐに来られないとのことだったので、交番に届けることにした。行ってみるとよぼよぼの老人が書類になにか書いていた。警官にお金を拾ったと言うと、警官はその老人に「見つかりましたよ」と言ったそうだ。老人はATMでお金をおろした後、何かの拍子に金を機械の上の方に置き、そのまま忘れてしまった。近くのファミマへ行き買い物をしようとして金がないことに気づいたそうだ。

「それで、お礼にって千円を私にくれようとするから、いいですっ言ったの。そしたら、しまうのよその人」
「いいじゃないの、落とし主が偶然交番にいるなんてラッキーだったよ」
「でもさ、落とし主のお礼って、相場いくら?」
「一割」父が横から口をはさんだ。
「別にね、お礼が欲しいわけじゃないのよ。そうなんだけど…」
母は、どこか釈然としない様子だった。これは、父が母に、それはがめつさのせいだと決めつけ、母が憤然とする会話パターンだ。
しかし、母の様子を見て、お礼が欲しいわけじゃないというのは本心だと思った。母の不満は、落とし物を拾って届けたらその場で持ち主が見つかるという劇的な展開であったにも関わらず、劇的さを感じられなかったことではないか?
(もっと、こう、何かないの?)
という不満だろう。

ふと思い出し、昨年9月に自転車を盗まれたエピソードを話した。
「買い物帰りにスマホ拾ってさ、業務用って書いたシールが貼ってあったからお店の人かと思ったんだけど、店からはちょっと離れてたんで、交番に届けたんだ。お礼の請求どうしますって聞かれたんで、いりませんって答えてそのまま預けたら、一時間後くらいに電話。出られなかったんだけど交番からで、持ち主が見つかりましたって警官のメッセージが入ってて、その後持ち主に変わって、女性の声でありがとうございましたって入ってた。で、おれはさ、なんてかっこよく、いいことをしてきたんだろうって、気持ちよくなっていたのさ。そしたらその日、自転車盗まれた」

7時半に実家を出る。

『快楽』読む。逮捕された柳に、『宝屋』のヅマヒトが面会に来る。柳が気になっているのは、逮捕されているリーダーにA作戦を続行するや否やを聞かなくてはならないことだった。ある日、リーダーの手ぬぐいにそのメッセージを見つけ、面会にきた穴川に伝える。穴川はヅマヒトとその妹クミコと一緒に来た。久美子は柳をひと目見たくてやってきた様子。そこへ、例のリーダーが脱走した知らせ。

8時半前、現場着。

午前中、新ツールのフォームの表示切り替え部分を、のんびりした気持ちで確認する。ほかに急ぎの仕事がないため、暇だなあという気持ちに満たされ、眠くなった。

昼、イオンのフライドチキン、レタスサラダ。

『快楽』読む。柳は面会に来た父と仏教の救い論争をする。父は落ち着いた善良なる市民という感じの人。柳は投獄されてから45日後に出所する。寺に帰ると父は農作業をしていた。家には『宝屋』のヅマヒトも来ており、柳ママと二人で柳を脱がして袈裟を洗ったり背中を流したりする。お手伝いの末子も柳に夢中。どうなっているのだ。

午後、眠気強まる。
カレンダーの日付を眺めていると、世が世なら来月は板橋Cityマラソンの本番で、今頃はきっと長い距離をイヤイヤ走っている時期だろうなあと思った。去年だって中止になったけど、決まる前の今頃はそんな時期だったのだ。昨年も、その前も、その前も。

5時半、外に出ると少し曇っていたせいでうす暗かった。グローブをせずに自転車を漕ぐ。手が冷たかった。
サミットに寄って買い物。ホットドッグ用のパン、きゅうり、ショートケーキを買った。

夕食に、お粥、ネギ納豆、茄子のぬか漬け、野菜の味噌汁食べる。

『乗馬』を練習。いつになったらとちらないようになるのだろうと思う。

11時就寝。