今起きたことのように思い出す

朝7時15分起き。

朝飯にソーセージと目玉焼き。

午前中、現場にて、懸案だったデータ保存先の引っ越し作業を終える。これが目的で11月からやってきたようなものだったので、感慨深かった。

昼、コンビニで『どさん子ラーメン』のカップ麺を買って食べた。

昔、西葛西のメトロセンターに『どさん子ラーメン』の店舗があった。メトロセンターオープン時から2000年代初頭まであったと記憶しているが、いつの間にかなくなってしまった。

この店には思い出がある。

母方の祖母が亡くなった日のことだ。母は先に祖母の家に行き、オレと妹は父が会社から帰ってくるのを待ってから三人で祖母の家に行った。通夜は翌日からとなったので、母はその日実家に泊まり、オレと妹と父は三人で自宅に帰った。

途中、夕食を食べるために寄ったのが、『どさん子ラーメン』だった。

なにを食べたのかは覚えていない。

食べ終わると、父がニヤニヤしながら、財布の中身をオレに見せた。

中身は空っぽだった。

小心者、かつ、自分一人だけが助かりたい性分のオレは、このままでは無銭飲食で逮捕されると思い、超ビビって店を飛び出した。

その後すぐ、心配になった。言うまでもなく自分の身だけが。なぜなら、家の鍵は父が持っていたからである。

で、店員に見つからないよう、脱水中の洗濯機みたいに震えながら、店の前まで戻った。すると、父と妹が意気揚々と店から出てきた。妹は「一万円札持ってるなんて、このこのー」と言いながら、肘で父をつついていた。

ホッとした。ああよかった、と思った。光の早さでその場から逃げ出したことについて、まったく後ろめたさを感じなかった。

この時オレは十歳。順調なペースで卑劣さを自分の中に育んでいたということだ。

こうした類のエピソードは、オレの黒歴史におけるメインコンテンツとなっている。そしてオレは、昔のことをやたらに覚えている。いつどこで何をしたかを、西暦と大体の日付で思い出せる。

思い出すことが容易ゆえに、それは色あせず、今さっき起きたことのように、場面が脳内で再生される。

『どさん子エピソード』も、まるで1時間前に起きたことのように思い出せる。

たった今、オレがそれをやったかのように思い出せる。

そして恥じる。

「何だよっ!もおーっ! 超ビビりじゃんオレ! 最低っ!」

たぶん、恥じることが報いなのだ。

午後、改修したツールで更新エラーが相次いで起きた。調べてみると、テーブルのオートナンバー型フィールドのナンバー追記動作がおかしいことになっていた。

カウンター値のリセットをするために、いったん利用者に閉じてもらって、データを最適化することで対応した。

夕方実家へ。
夕食に、ご飯、とんかつ、エビフライ食べる。

走りに行くつもりだったが、風速8メートルくらいの風が吹いていたので、早々に諦めた。笑顔で。

目覚ましを明日の早朝にセットし、9時就寝。