朝、7時過ぎ起き。
朝飯に、ご飯、鮭の粕漬け、きゅうりのぬか漬け、豚肉とゴボウの味噌煮込み、ポテトサラダ、ほうれん草の胡麻和え、野菜の味噌汁。なんだか、おかずだらけの、やたらに気合いの入った朝飯になってしまった。
外は雨だった。傘を差し、地下鉄で現場へ。
昨日に続き、環境設定をする。Office 365 が使えるようになったので、早速ツール関連を調べる。その合間に、ユタカ氏が来て、リモート環境の設定をしてくれるが、スマホと連動して設定しないといけないようで、そちらはなかなか進まなかった。
昼、二郎系ラーメンの店でラーメン。雨はさらに強くなっていた。
午後、おそらく最初の仕事となると思しい、ツールの現状トラブルについて調べる。原因は突き止めたのだが、理由がわからなかった。業務やツールの仕様をまだ知らないためだ。
映像研修ノルマみたいなのがあるので、まだ受けていないものを視聴し、ユタカさんによる環境設定作業に協力した。リモート環境はまだ設定が終わらなかったが、ツールを色々見られたのは収穫だ。
6時半過ぎ、新宿へ。歌舞伎町の『鳥貴族』にて一杯飲みながら、ダイビングのテキストを読んだ。
8時30分、TOHOシネマズ新宿へ。窓際の椅子で時間をつぶし、9時10分頃に入場。
9時20分から、是枝監督作品『怪物』見る。
冒頭、安藤サクラ演じるシングルマザーと、一人息子による生活が描写される。平和な日々と思いきや、ある時から息子の行動がおかしくなってきた。髪を自分で切ったり、耳を怪我したり、自分の脳みそに問題があることを気にすることを言ったり。
母は、息子が担任の教師から、体罰を受けていたと聞かされ、学校へ抗議に出向く。
校長を演じるのは田中裕子。無表情。抗議に対し定型的な謝罪の言葉しか口にしない。その態度に母は苛立つが、担任の態度には怒りを爆発させられる。
担任を演じるのは永山瑛太。母視点の映像では、ブツブツいったりニヤニヤしたり、不遜極まりない教師に見える。
事態は、母がことを大きくすることで、教師の退職までに至る。その後、ある嵐の日、息子が家からいなくなっていたことに気づいた母は、家を飛び出す。ここまでが母ターン。
時間が過去に戻り、同じ時間軸での教師ターンが始まる。これに並行して校長ターンがあり、最後に息子ターンで終わるというという構成だった。
視点が変わることで真実の見え方が見事に変わっていた。正直、母ターンでは教師達が腹立たしくて仕方なく、これって胸糞映画? と思ったが、教師ターンになってすぐ、自主炎上していたおのれに冷水をぶっかけられたような気持ちになった。まさに『羅生門』ケースであり、何が真実なのかわからなくなった。
いつもの是枝作品と比べて、場面が短く、切り替えが早いなあと思っていた。シナリオ構成も非常に技巧的だなあと思った。しかし、事前に知っていたはずなのに、なぜかシナリオを書いたのは坂元裕二さんだということを失念したまま最後まで見てしまった。素晴らしいシナリオだったと思う。特に、母ターンから教師ターンに入れ替わったあたりの展開にゾクッとした。
入れ替わりについては、永山瑛太がすごくいい芝居をしていた。悪いことは何一つしていないのに、事態がそうなってしまったのは、彼がそういう人間だからと思わせてしまうような独特の『隙』を見せていた。あからさまに弱点として見せる感じではないところに、演技の微細さが現れていた。監督の演出も良かったのだろう。
子供ターンになってから先の展開は、全体の答え合わせに近かったが、だからといって何かが解決するわけではないのだという結論が、そのまま、母ターンで胸糞悪いと感じたオレ自身への『問い』となって、頭のなかでぐるぐる回った。オレの何が罪かっていうと、たぶん、物事の判断と対象をマニュアル・テンプレート的に行っている自分に、気づかなくなることだろうな。たぶんそこが、大人なら、一番気をつけていかねばならないところだろう。
ラスト、嵐が去った後、色々あったけど奇声を上げて走っているその気分の良さは真実で最高のものだということを、映像だけが語っていた。そしてその映像は光に満ちた直後に暗転し、映画は終わった。
面白かった。そして、他人のシナリオで映画を撮っても、是枝さんらしさに満ちていた。高畑充希の『キス別れ』場面。クラスのいじめっ子的二人組のいじめ方が類型的いじめ演技になっていないところ。瑛太先生の『西田ひかるネタ』の外し加減。校長のうわさ話をする同僚女教師が罪のない笑顔を浮かべている演出。
映画館を出ると、雨は土砂降りレベルになっていた。
中日がオリックスにサヨナラ勝ちし3連勝した。よしよし。
12時半帰宅。