ランニング代わりのサイクリング

9時起き。10時までベッドでダラダラする。

ベッドから下りる時、右ふくらはぎの感触を確かめた。痛みはなかったが、つま先に力をこめて床を押すと鈍痛があった。

しばらくランニングは休むとして、何か別の運動はないかと考え、思いついたのは自転車だった。そういえば、一昨年までは毎日、家から現場まで片道11キロ半の道のりを自転車で走っていたのだ。往復23キロだから、なかなかのものだ。あの頃は毎日コンスタントに運動していたことになる。

昼飯を食べに、高井戸の『広州』へ。オシャレそうな外観の店だったので、ランニング途中で寄るのは気が引けていた。

1時過ぎに着いたが満席だったので、そのへんをブラブラして時間をつぶし、1時20分頃に再来店すると、ちょうどひと組のお客さんが出ていくところだった。入れ替わりに入った。

エビと玉子のチリソースのセットを食べた。町中華以上、本格未満といった味で、コスパは良かった。

店を出て、とりあえず多摩川を渡り、稲城市方面に向かうことにした。そのあたりには果樹園が結構あるので、多摩川梨を買おうと思ったのだ。

環八をゆっくりしたペースで走り、甲州街道の交差点を過ぎてから環八を横断し住宅地に入った。ルートは決めず、太陽の光を頼りにした方向感覚だけで進むことにした。

ウルトラマン通り入口を入ってから、サミットに寄り、住宅地を西に曲がった。そこから先は、ランニングコースから外れたエリアなので、一度も通ったことがなかった。なんとなく成城に近づいているなあと思いながら進み、祖師ヶ谷公園の南側を通り、入間町の急坂を下りて野川に出た。

野川の橋でいったん止まり、地図を調べた。祖師ヶ谷公園は北側の道を何度も走ったことがあるが、南側はなかった。ウルトラマン商店街から西に走るとそこにでるのが不思議に思えた。また、入間町の坂はシャレにならないほど急だった。

狛江ではなく調布方面に進むよう、住宅地の道を曲がりながら走った。仙川から狛江に伸びる松原通りに出た。いなげやがあった。そのいなげやは坂を下りたあたりにあったのでよく覚えている。行きなら下りが終わりで、帰りなら上りが始まるポイントだった。

松原通りを横断し、道を折れ曲がりながら進むと、狛江通りに出た。自分の感覚では南北に走っている通りだったので、北に行くか南に行くか迷った。地図を見ると、実際は北西と南東だった。北西に進むと品川通りがあるとわかった。その道を進めば調布駅の南側を通り、多摩川原橋を渡ることができる。

品川通りを西に進んだ。布田駅の南にある交差点で、浴衣女子の群れに遭遇した。ふいに、ピーンと来た。もしかして今日は、調布花火大会があるんじゃないか?

調布の南口を通り過ぎ、多摩川原橋を渡る時、調布方面の河原に沢山の露店が出ているのを見て、やはりそうだとわかった。

橋を渡り、周囲の果樹園を検索し、まずは以前からチェックしていた金井フルーツ園に行ってみた。しかし、店の前に陳列してある梨はわずか3個で、どうやら店じまいの時間が近づいている様子だった。

そこから近いところにあるヤマキ園に行ってみた。そこは、店頭に袋詰めした梨がいくつか並べられていたので、大きい新高が二つ入った袋を買った。

これで目的を達した。あとはどうするか。花火を見て行くか。しかし時刻はまだ4時前で、花火の開始時間まで二時間以上もあった。

とりあえず、ゆっくり帰りながら考えようと思い、稲城大橋に向かった。すると、上原園という果樹園の看板が目に入った。渡らずに右折するとすぐのところにあるようだった。

バカみたいに右折して進むと、上原園の販売所があった。ヤマキ園より店に活気があった。老夫婦がちょうど梨を買うところだった。梨のサイズはヤマキ園で売ってたのより小さかったが、それでも十分大きいと思えたので、5つ入りのを買った。シャインマスカットを数粒サービスでつけてくれた。

リュックの中に梨を7個も入れ、まるで戦後の闇市で芋の買い出しをした人みたいだなあと思いつつ、多摩川原橋まで戻った。人の数が増えていた。

稲城市側の多摩川沿いを、川崎街道ではなく、川に近い住宅地沿いの道をぬって走った。花火大会のための交通規制が、多摩川沿いの道に対して行われていた。

川崎市に入ってから、土手のサイクリングロードを走った。対岸は狛江市で、四年前の調布花火大会をみたのはそのあたりだった。

多摩水道橋を渡り、結局、花火は見ないことに決めた。時刻は5時前で、その気になればいい場所を取ることもできそうだったが、二時間以上自転車に乗っていたため、尻が痛くなっていた。

松原通りを北上し、以前は千川方面からの道がそこで行き止まりだった交差点を右折し、狛江通りを左折した。少し行くと右手に公園があった。自転車を止め、ベンチに座って少し休憩した。

狛江通りを反対方向に進み、先ほど左折した道に戻り、直進した。北東に向かっている感覚だった。突き当たりが丁字路になっていたので、右に曲がり、最初の道を左に入って、再び北東に進んだ。

途中、祭の半被を着た人が家から出てくるのを見た。どこかで祭をやっているのかと思っていると、その先に神輿を担いだ人々がいた。誘導灯を持った人に従い、向こうからきたバスを先に通し、神輿の横を通り抜けた。神輿の先頭ギャルがいて、笑顔で声を出していた。

そのまま住宅地を進むと、さきほど入間町の急坂を下りたところの野川沿いに出た。急坂のあたりは入間公園という公園になっていた。自転車を降り、湧水などはないか歩いてみたが、流れは見当たらなかった。

急坂を上り、成城の町から祖師ヶ谷公園の北側に出た。以前そのあたりの通りは車幅が極めて狭かったが、新しい道が作られており、その道はまっすぐ環八に延びていた。あとは、環八に進むだけだった。

環八から荒玉水道に出て、6時に帰宅。

シャワーを浴び、ドラッグストアへ行き、ビールとロゼワインを買ってきて飲んだ。

右足のふくらはぎは、歩いても痛みを感じなくなっていた。軽度の肉離れだったのだろう。2016年も2018年も、翌日から歩くのは平気だった。

むしろ、左足をブチンとやった2019年の方が、治るのに時間がかかった。

冷蔵庫にある味噌の残りを、炒めたひき肉、にんにく、みりん、酒、砂糖で煮詰めて、力士味噌にした。今年2月におろした手作り味噌だが、昨年8月末に仕込んだ味噌がそろそろ熟成終了なので、そのように加工して冷凍保存する。