1968年

 朝8時起き。
 7時間以上車を運転した翌日にも関わらず、目覚めはまあまあ良かった。

 『極大射程』読む。
 200ページを超えたあたりから急激に面白くなってきた。
 トータルで700ページ超なので、これからたっぷり楽しめる。

 雨は降らず、蒸し暑い一日だった。
 梅雨らしいといえば実に梅雨らしい。

 昨日鑑田君と話した内容は大変刺激的で面白かった。
 演劇を作る側ではなく、取材する側の意見を聞くと、いかに興味の対象に差があるのかがわかった。
 企画書を読んで、
 「だからなに?」
 と思ってしまったカンパニーの取材には、行きたくないという。
 この「だからなに?」を払拭する努力をしなければいけないのだ。
 非常に難しいことだが。

 話をしていてふと、1989年に第三エロチカがやった『ジョーの物語』という芝居を思い出した。
 その芝居は『あしたのジョー』をモチーフにしていた。
 チラシには、その芝居のために役者は1年前からボクシングジムに通ったと書いてあった。

 「そういうのはどう?」
 「興味ありますね」

 鑑田君の考え方に極端に従うと、あっと言わせさえすれば良いという極論に走ってしまい、芝居が破綻する恐れがある。
 だが、作家性ばかりにしがみついていても「だからなに?」 と思われるだけだろう。
 ここは、頭をべきところだ。

 夕方7時帰宅。
 鶏肉のソテー、きゅうりの浅漬け、サラダを食べる。

 10時半からジョギング。
 久しぶりに小金井街道を南下して20号に至るコースをとる。
 まあまあ走りやすいのだが、距離はあまり長くない。
 しかし蒸し暑いため、汗は沢山出た。

 『ビートルズアンソロジー』読む。
 1968年に突入だ。
 ジョンとヨーコが『トゥー・バージンズ』をリリース。
 ジャケットは全裸の二人の写真。
 当時は確かに、驚天動地といった感じだったろう。
 映画『イエローサブマリン』についての見解が面白い。
 ポールは、もっとディズニー寄りのエンターテイメントが良かったらしい。
 ジョンも、大して気に入ってはいないようだ。
 しかしジョージとリンゴは、大変気に入ったそうだ。
 アップルブティックは破綻し、ホワイトアルバムのセッションではメンバーがぎくしゃくしはじめた。
 それでも、リリースされたレコードはとんでもなく素晴らしいという状況。
 それがビートルズの1968年だ。