植草圭之助『わが青春の黒沢明』を、中野の古本屋で見つけ、稲妻のようなスピードで買った。
植草圭之助は黒澤明と幼馴染みのシナリオライターであり、『酔いどれ天使』や『素晴らしき日曜日』では共同で脚本を執筆している。
黒澤明の自伝『蝦蟇の油』と同じ頃に書かれたのが本書である。
中野にはクロカミショウネンの公演を見るために行った。
旧知の阪上君が出演している。
受付で内山さんと会う。
お手伝いに来ているようだ。
パンフレットを見ると、舞台監督スタッフとして大田守信君が入っていた。
そういえば大田君はクロカミショウネンの芝居が大好きだと言っていた。
芝居は病院を舞台にしたものだった。
年の離れた婚約者を家族に紹介する際の勘違いなどのドラマあり。
物語の横軸に末期ガン患者の存在があったが、こちらよりも勘違いドラマの方が多めに書かれていた。
阪上君は終始端正に医者の役を演じていた。
終演後、阪上君に挨拶する。
制作の大谷さん、舞台監督の大田君と言葉を交わし、主宰の野坂さんともすれ違いざまに会釈をする。
帰り道、『我が青春の黒沢明』をどしどし読む。
人間のどの部分に興味を持つかということにおいて、黒澤明とはまるで正反対だということがわかって面白い。
それから、若き日の黒澤明が他人からどのように見えていたのかがわかり、そちらも面白かった。
帰宅後、プロットを書く。
そろそろ台本を書かねばならないが、話の大まかな骨組みはどうやら一つの方向にまとまってきたようだ。
しかし、自分で思っていたものとは少し違った方向に変わってきた。
お話の方が、勝手にそっちへ転がっていくのだから仕方ない。
あとは、資料次第だろう。