11時劇場入り。
昨日の場当たりで足りなかったところを返す。
蝉の声が変化し、昼から夕暮れ、そして夜に変化するところ。
ゲネを終えているので、時間に追われるような感覚を抱かずに繰り返すことが出来た。
その後、カーテンコールを作り、準備体勢に入る。
ゲネのだめ出しは各個人に言って回った。
全員集合するより時間の節約になるし、全員に言うべきことはそれほど長くない。
19時開場。
人と話したい欲を封じ込めるべく、袖で瞑想する。
5分押しで芝居は始まった。
冒頭、小屋を塞いでいるパネルを取り外すところで、トラブルが発生した。
ベキベキという音が聞こえ、次の台詞がなかなか出てこない。
何が起こったのか田中さんに聞くと、端っこのパネルがなかなか外れず、悪戦苦闘するうちにまっぷたつに折れてしまったのだという。
舞台は開けてみるまで、何が起こるかわからないものだ。
けが人はなく、芝居の妨げになる装置トラブルはなかったのは幸いだ。
のっけからそのようなハプニングがあったせいか、今日は全員の台詞回しが異様なほど早かった。
お客さんに一人、どの場面でも大笑いする人がいた。
袖にいてもよく聞こえた。
上演時間は1時間55分だった。
冒頭ハプニングがあったにも関わらず、ゲネから9分も芝居が縮まっていた。
だが、全体的にテンポが良かったという印象はあまりなく、早すぎるところと遅すぎるところが混在していたように思う。
終演後、撮影の松島君と苦笑して話す。
「前回もそうだったけど、どうして松島君に撮ってもらう回はトラブルがあるんだろうねえ」
前回は、俺が台詞を死ぬほど噛んだ。
お客さんの見送りを済ませ、初日打ち上げ会場に向かう。
色々あったが、まだこれからだ。
まだこれからだが、とりあえず初日は明けた。
田中さん、仲澤さんと同じテーブルに座り、音楽の話を色々する。
ビールがうまい。
ビールがうまいが、明日は朝から仕事だ。
朝から仕事だけど、初日は明けて、梅雨も明けたから、やはりビールはうまい。
このうまさは、仕方ない。