稽古見学

ラスト案を腹の中におさめたまま、思案しながらパソコンに向かい、書けると思って進めたり、やっぱりダメだと消去したり。
うじうじと午前午後を過ごした。

台本状で悩んでいる原因ははっきりしてるけど、人になかなか相談できない。
説明しても、どう答えたらいいのかわからないだろう。

秋月、瑞恵、楓の関係が、ギリギリのところに行く場面を書いた。
書いたものの、それがどういう舞台になるのか、稽古してみなければわからない。

夕方、阿佐ヶ谷で稽古。
芹川の知り合いの役者さん、吉川さんが見学に来た。
2月の『暮れなずめ街』を見に来てくれて、どういう稽古をしているのか興味をもってもらえたらしい。

どういう稽古をしているのかと聞かれても、雨漏りにお椀をあてがうことを繰り返しているに過ぎないので、実際に見てもらうしかないし、見てもらったからといって何かワークショップっぽいことをする器量があるわけでもないから、そのままやるしかない。
そっけない態度かもしれないが、吉川さんは熱心に稽古を見てくれて、その視線の熱を背中に感じると、頑張ろうという気持ちになった。
見られると燃えるのは演出ではなく役者の性だと思うが。

稽古後、阿佐ヶ谷の「いろはにほへと」で飲みつつ、吉川さんと話す。
『暮れなずめ街』で感じた印象と、稽古中に自分が発した何気ない言葉について意見をもらえた。

先の展開が気になるとも言われ、同じようなことは役者陣も言っている。
聞かれれば、こうするつもりだと答えている。
自分でも迷っている部分があり、そのことも幾人かに言っている。
言われた方としては、
「難しいですね」
しか答えようがないだろうが、少しでも吐き出せると楽になるし、喋ることで考えて一段階進むこともある。

台本締め切りまであと二日。