絶望話

コンビニのおにぎりとサンドイッチを朝食に食べる。

仕事中、隣席のSくんと雑談。
絶望についての話をする。

「僕、絶望というのを経験したことがないんですよ」

と彼は言った。
性格的に絶望しないというのではなく、絶望するほど辛い出来事にあったことがないらしい。

「この先、そういうことが起きた時に、大丈夫ですかね?」
「今まで一番辛かった出来事はなんだい?」
「両親の離婚ですね」
「その時きみいくつ?」
「16歳です」
「じゃあまあ、大人とまではいかなくても、分別はついてるからいいじゃん」
「でも少し泣きました」
「あ、そう」
「その後は、辛かった出来事、特にないですね。失恋したときでも、そっかー、みたいな」
「そっかー。俺は何回かあったけどね」
Sくんは聞く体勢だ。
少し考えて続ける。
「生きるか死ぬかの選択を迫られるんだよ。自殺とかじゃなくて、そのままの自分じゃ、もう生きていけないんだということがわかるっていうか、そういう風に思っちゃうような辛さっていうのかな」
「そういうの、やっぱりいつか、来ますかね?」
「来ると思うよ。来たほうがいいかもしんない。今まで自分にインストールされていたOSが、もう使えなくなっちゃうってことだから。別のOSをインストールしないと、やっていけないわけだから」

来ると思うと答えたものの、果たしてそうだろうかと思う。
辛い出来事を呼び寄せるような生き方がどういうものなのか、言葉で説明はできないが、そういう生き方が招き寄せた辛さは「自業自得」というものだ。
Sくんがどういう生き方をしているかまではしらないが、辛さを招き寄せるような生き方ではないと、醸し出す雰囲気から想像できる。
それは良いことだと思う。

朝から晩までずっと雨が降っていた。

昼はパーシモンでオムスパ食べる。

夕方、仕事先の長くいる同僚との飲み。
新宿西口の「KOUYA」にて。
昨年やめたBさんも来る。
Bさん、お子さんが生まれたらしく、時間限定の参加だった。

11時過ぎまで飲む。
地下街からJRで帰宅。

絶望についてSくんと話したことを複数に分けてツイートしたら、児童文学作家の村山早紀さんと、細田くんにリツイートされ、軽く驚いた。