「騎士団長殺し」第1部読了

引き継ぎは日々こつこつ進めている。
ドキュメント作成と、質問に答えることを同時に行っている。

去年の秋は、質問されてからその箇所のコードを読み、
「これは、こういうことを誰それに頼まれて…」
と答えていたが、1年半も暇を持て余していたため、思い出すのがまず大変だった。
先月の改修でコードの見直しができたので、最近はすっと答えられるようになった。
今日は依頼について、
「引き受けてばかりじゃなくて、ツール作って渡しちゃえば良かったのに」
と言われ、しばらく返答が出来なかった。

確かに一理あるのだが、間に入り、事情を慮って引き受けることで、乗り越えてきた危機もある。
問題は、人が代わったことで、オレがやるのが当たり前だと思われてしまうことだ。
荷物運びを手伝っていたのに、運搬責任者になっているみたいで、変だなあと思う。

現在のシステムに、そうした属人処理のコストを測る仕組みがないため、人の評価や価値の判断を狂わせている。
引き継ぎが各部署で行われるごとに、方法が劣化していく。

『騎士団長殺し』第1部読了。
過去作品を思い出す設定、場面、人物がいくつか出てきた。
『ねじまき鳥』の井戸、妻に男がいた設定。
『ノルウェイの森』の一人で旅をする場面。
『1Q84』のふかえり。

『ねじまき鳥クロニクル』との類似点が多いと思う。
戦前のオーストリアに留学していた日本画家は、『ねじまき鳥』でいえば間宮中尉だろうか。
背景に歴史的な事件があり、巨大なシステムによって個人が大きく損なわれるというモチーフが共通している。

夜、生牡蠣食べる。
この前やったように大根おろしで洗う。
今回は最後に4パーセントの食塩水で牡蠣についた大根を洗い落とした。
うまかった。
そりゃあ殻つきの方がうまいけど、安いし、家飲みで酒のあてにするにはこれで十分だ。