溶岩焼で忘年会

6時起き。風呂を沸かして入る。早朝の気温は氷点下に近く、走る気になれない。代わりに風呂に入って20分以上浸かれば汗を流せる。浴槽の半分にふたをし、書見台にして本を読む。読み始めてすぐ、寝落ちしそうになる。よく眠ったはずなのに、首がかくんと折れる。汗が出始めてから眠気は去った。のぼせる前に上がる。本はそれほど読めなかった。

上がって、トースト一枚と、シャウエッセン、ザワークラウト、オニオンスライス、目玉焼きを食べ。7時50分に家を出る。中央線のホームが混んでいた。人身事故らしい。電車は動いていたが20分遅れていて、はちきれそうなくらい混んでいたので、3本やり過ごした。

仕事先のビルに着いてから、IDカードを忘れたことに気がついた。今朝、新しいバッグに変えた時に、カードを古い方から移すのを忘れていた。守衛に言うと「どうぞ」と言われ、簡単に入れてもらえた。若干、顔見知りになりつつあるたためかもしれない。前の仕事場のことを思い出す。カード紛失は大事件で、始末書ものとされていた。紛失を避けるため、仕事帰りに飲む時は、個人ロッカーに保管して退社しなければならなかった。それでも紛失事故は時々起きた。

昼、ツールをリリースした。ちょうどひと月ぶりだった。9月から始まり、なんとか運用できているのは素直に嬉しい。

昼飯を食べに神田西口商店街へ。「宇奈とと」でダブルうな丼食べる。店員がみんな女性で、はきはきした喋りが聞いていて心地よかった。

午後、仕様書関連作業の続きをする。メール関係のトラブルが起きていて、Office365の設定がどうとか、周りで話していた。Outlookを365で運用しているのだが、正直使いやすくはない。受信済みのメールを自動で振り分けできないことが痛い。

6時に上がる。新宿へ。花園神社方面に向かう。久々に境内に入る。唐組の芝居、久々に見たいなと思う。

明治通りの合流地点で入倉と会う。「でかくなってない?」顔を見て入倉が言う。「元からだよ」と答える。

「溶岩焼薩摩屋」で、大学の友達と忘年会。榊原が勧めてくれた店を、清水が予約してくれた。7人集まる。仕事の話、子供の話聞く。内田の子供が通う学校の副校長が入倉だったという話。内視鏡検査と下剤の話。色々話す。

榊原、10月のマグ公演を見に来てくれたのだが、劇場に先についたので、清水達と離れた席に座ってしまったという。後から来た清水達は、前の席に榊原が座ってるのが見えて、それがおかしかったという。

肉はどれも旨い。三秒ハツは、片面ずつ三秒焼いて食べるものだった。焼き色だけつけてレアで食べる感じ。焼く時間が短いほど柔らかい。試しに10秒ずつ焼いてみたら、固くなってしまった。カルビにはワサビをつけて食べた。鶏肉は味噌だれが合った。タレは手元の小皿に色々用意されていたが、肉の質がいいので、わさびや柚子胡椒や塩で食べるのが一番美味しかった。

9時半に店を出る。小山に、長野に遊びに来いと言われる。先月ル・グインの本を読んでいた時、芝居のチケットが出てきたことを話す。20年前、長野の小山の家にバイクで遊びに行った時、直前に見た芝居のチケットだった。9時に終演し、家に帰って、10時半くらいにバイクで向かい、夜中の2時か3時くらいに着いたのだ。インターチェンジを一つ間違え、小山の留守電にメッセージを入れ、なんとか合流し、バーミヤンで飯を食った。8月の頭だったけど、夜中の中央高速を走って体が冷え切り、小山の部屋で眠った時も、まったく汗をかかなかった。
「楽しかったね」と小山。確かに楽しかった。温泉行ったり。小山の勤め先のプール行ったり。食べたり飲んだりした。

らんぶるに移動する。アイスココアを飲む。奈美ちゃんと、最近の若い役者について話す。ココアには生クリームが載っていた。ストローですくった食べた。甘くなかった。離れた席にいた清水が羨ましそうに見ていた。

10時に店を出る。
「塚本が生クリームをすくってる時、オレに半分くれるのかと思ったのによ」清水が言った。
「淡々と食べてたよ」と奈美ちゃん。

清水と新宿まで歩く。「オレの個人的好みでいうと、マグ不足の方が好き。中でも一番良かったのは一人芝居」と清水。
「一人芝居?」
「人数が少なければ少ないほど、ひとりひとりを細かく見られるからいいんだよ」
確かに、台本を書くのでも、演出をするのでも、5人から8人くらいまでが一番やりやすい。本公演でそれをやれなくなったのは、集客への影響があるからだった。出演者が増えればそれだけお客さんは増える。だからといって際限なく増やすわけにはいかない。本公演ではここ8年ほど、15人が出る芝居を主に作ってきた。それ以上はやったことがない。
「本公演は、まとめてるなあって思うことがある」清水が言った。
「役者で、やってて楽しいのは、マグ不足の方だよ」
「やっぱり? オレも見ててそう思う」
「この前、回転一座やって気がついたんだけど。役者って、いかに、精神的にテキトーになれるかっていう部分が、重要だと思うんだよ。こんな芝居、なんでもねえよ、みたいな感じに。ところが、本公演は演出やってるから、テキトーになれないんだ」
「責任あるから?」
「そう。でもマグ不足は、演出いないから、テキトーが、出来るんだよ」

JRのホームに上がる階段のところで清水と別れる。肉を沢山食べたからか、寒さは感じなかった。11時帰宅。1時間ほど腹を休め、12時過ぎにベッドに入る。