レコードの時代

5時半起き。
ブログ更新をし、トマトの水補給をする。赤くなったトマトはなし。
外は雨だった。

朝飯に、ご飯、明太子、茄子のぬか漬け、味噌汁。

7時半に家を出る。
ラジコで『東野幸司のホンモノラジオ』聞く。
ディスクユニオンでストーンズの「悲しみのアンジー」のシングルレコードを買ってきたダディが、放送中にそれをかけるも、回転数を33回転にしてしまうというコントみたいな展開が面白かった。
イントロ前に聞こえるレコード針の音が耳に心地よかった。

午前中、旧ツールのコードを開くも、なかなかやる気が起きず。新ツールの方で、今まで1件しか入ってこなかった商品の申し込みデータが2件来ていたのがちょっと嬉しかった。それはそれとしてヒマだった。

昼、ピーコックのフライドチキン、サラダ、枝豆豆腐食べる。

SQLの勉強する。朝のひとときやお昼休みを利用するのが一番合理的ではないかと今朝思ったのだった。理由は、広い机に恵まれているから。

夕方、電車帰宅。雨はやんでいた。

ドラッグストアでアイス、水、コーヒー、ビアードパパのケーキ買う。

夕食に、ご飯、茄子の味噌汁、茄子のぬか漬け食べる。

レコードのことを思い出す。

レコードはメンテナンスが大変だった。かつ、何度も再生するとノイズが増えていった。
CDが普及する少し前、オーディオにおける音源は、一にレコード、二にFMであり、それらを恒常的に聞けるものにするための録音メディアとしてテープがあった。その中でも信頼がおけるのは三八ツートラのオープンテープだったが、これは値段も高く持ち運びにも不便だった。そのため本来テープの面積的にオーディオ向けではないとされたカセットテープの需要が増していき、性能も上がっていった。

カセットテープの弱点はテープヒスノイズの大きさだった。録音されたテープの無音部分でボリュームを上げると「スー…」という音がした。ダビングをするとその音量は倍になった。
ドルビーのNRシステムはテープヒスを解消するために考案されたシステムだった。カセットテープに録音する時、テープヒスノイズに近い高音域のレベルを大きめにし、再生時にもとのレベルに下げることで相対的にテープヒスノイズの音量を小さくしていた。

80年代洋楽小僧は、LPレコードを買うとまずカセットテープに録音した。やり方は、まずテープの録音ボタンを押した状態で一時停止にする。レコードを再生するとテープデッキの入力レベルを示す針が動く。針が赤いところを超えないギリギリの振れ方になるよう録音レベルを調整する。大きければ大きいほどいい。なぜなら、録音レベルが大きい方が相対的なテープヒスノイズが小さくなるからだ。

録音が済んだLPは大事にしまわれる。繰り返し再生されるのはもっぱらカセットテープである。何度も何度も再生するとテープが伸びてきて音質が悪くなる。そうするとまた新しいテープを買ってきて録音した。

CDはレコードとは違い、再生を繰り返しても音の劣化はなかった。針飛びもしなかった。また、ダイナミックレンジがレコードやテープよりも大きかった。これは最小と最大の音量差である。つまり、テープに録音するよりそのまま再生した方が、ノイズのないでかい音で鳴らせるということである。

ただ、CD転換期の初期は再生機器が出そろっていなかったため、CDをテープに録音して聞く人は多かった。LPよりダイナミックレンジが大きいため、それに対応したカセットテープが売られていた。それが平成に入り、CDラジカセとCDウォークマンが本格的に売れ出したことで状況は一変した。録音なんて面倒くさいことしなくても、買ってきてすぐに聞ける環境を若者達は手に入れたのだ。
特にCDウォークマンの存在は大きかった。タワレコで買ったばかりのCDをその場ですぐに聞けたのだ。90年代のミリオン連発時代はこうした再生環境に支えられていた。

2000年代に入り、itunesによる音楽配信が始まったあたりがCD衰退の転換点となるのだろう。それでもCDを出すことにこだわるアーチストはいたため、レコードからCDに転換した時のように急激な衰退はなかった。しかし、なぜCDをあえて出すのかという問いに対し、オブジェクトの質感であるとか、それが『もの』であることの愛おしさなどを答えにした場合、そうした性質においてCDはLPに劣ることに気づかされる。

LPレコードは、盤に音の溝が物理的に刻まれていた。音の彫刻みたいなものである。再生することで溝が摩耗するから、繰り返しの再生には向かなかったわけだが、それは、今流れているクオリティの音は二度と聞こえないという意味で、再生される音の一回あたりの価値を高めることにもなる。LPを所有しているということは、音楽を持つことそのものであった。

摩耗による劣化がないことを売りにしたCDも、素材の劣化による読み取り不良という問題がある。光学メディアはそうなると再生そのものが不可能になってしまう。レコードならばノイズが増えても再生はできるのに。

昨日見た『デッドロック』には、シングルレコードを再生するシーンがあった。途中、音飛びをしていた。三十年前はうざかった現象も、なぜか風情あるものに聞こえた。勝手なもんだ。初めてCDデッキを買った時、レコードプレーヤーが石器時代の石斧みたいに見え、すぐに捨ててしまったくせに。