GLIM SPANKY ライブ行く

浦安橋に向かって少し歩くと、水面にボイルがわいたような気がした。ボラなのかシーバスなのか、いまだにボイルの正体を判別できないが、明らかにボラだとわかるものはある。今わいたボイルはそれとは違った。

そのあたりで釣りを始めることにした。

持っているルアーの、表層を引くものから順に投げつつ、途中で交換し、レンジを低くしていった。水面は穏やかで流れが止まっているように見えたが、ルアーを投げ入れると思ったよりも速い速度で下流に流された。

ベイトの気配がなくなったので上流に移動した。

河岸が鉄柵になっているあたりの手前に三人ほどアングラーがいた。距離をおき、鉄柵のところでルアーを引いた。が、アタリはなかった。

下流に移動する。先ほど釣りを始めたポイントよりやや上流のところでベイトがわいている気配があったので、そこでルアーを引いた。アタリはなかった。

アタリがない、イコール、シーバスはいないと判断して移動するのは、正しいことだと思うが、それは判断が正確であればの話である。オレのような素人には判断するための基準がない。なんとなく勘で移動することになっている。

自転車を止めたところよりも下流に少し移動してみたが、そこでもアタリがなかった。潮が派手に引き始め、流れがだいぶ速くなってきた。こういう時、旧江戸川ではどこに行けばいいのかわからない。

ならば、シーバスが接岸していそうなところを探そうと思った。川にいなけりゃ海ではないか?

いったんロッドとネットを畳み、自転車で河口に移動した。

舞浜大橋の上流側にはアングラーがぎっしり並んでいた。どこかに隙間があれば入ろうと思ったが無理だった。これじゃとても釣れんと思い、臨海公園側に移動した。真夜中の公園を通り抜け、橋の下流側に出た。そこの川岸も人でぎっしりだった。河口から臨海公園側まで歩いてみたが、そこも人がいた。そのまま岸沿いに進めばさすがにあいている場所はあるだろうが、釣れないからあいているのではないか。パチンコと同じだ。一台だけあいているのは、出ないからなのだ。その台に座って打つから負けるのだ。

結局、旧江戸川河口で釣るのは諦め、自転車で中川に向かった。

途中、臨海公園のトイレに入った。深夜だし誰もいないだろうと思ったら、入り口の洗面台に女性が二人いたので驚いた。目が合った。若い子だった。男子トイレに入ると、二人の会話が聞こえた。中国語だった。公園の暗闇から、ヘッドライトをつけた地下鉄工事みたいなおっさんが現れたのだから、向こうだってびっくりしたかもしれない。

三年前にシーバスを釣ったポイントに着いた。そこにも釣り人はいたが、旧江戸ほど密集してはいなかった。なんとかあいている場所を見つけ、ルアーを投げた。

中川は旧江戸川より深さがあり、流れが重くて速かった。ルアーはたちまち下流に流された。
そのまま糸を遠くまで送り出し、長い距離をゆっくり引いた。一回やるごとにルアーを変えた。それを繰り返した。
三年前はこれをやってアタリがきて、バレて、そのあとバイブレーションに変えて投げたらバカバカ釣れだしたのだ。おそらくあの時は、シーバスの群れが接岸していたんだろう。だから糸を送り出して引いてもかかったのだ。送り出したからかかったというわけではないのだ。
昨年の秋に浦安の海側で釣った時も、江戸川河口から海に向かってルアーを流したが、この時はまったくアタリがなかった。

このやり方はもうやめよう、と思った。釣り方を優先し、それに合わせて潮位表やポイントを選ぶことになっては本末転倒だ。ちゃんと成長できない。

上流に向かって移動した。釣り人はやはり点々といた。釣れない釣れないと言いながら、今はやはりシーバス釣りの最盛期なのだ。

水門のところで釣りを再開した。そこは流れに淀みがあった。スーサンを投げて竿先をちょんちょんしながら引いた。アタリなし。二回目、壁ギリギリのところを狙って投げた。引いたとたん根掛かりした。
寒かった。ウイスキーを飲んで体を暖め、気を取り直してルアーの回収にとりかかった。しかし、PEラインとリーダーの結節点で切れてしまった。スーサンをロスト。

時刻は4時半を過ぎていた。リーダーは持ってきていたが、結び直して釣りを再開する気分ではなかった。9月からの釣行で一度もバイトを経験していないことに気持ちがへこんでいた。結び直したとして、また釣れない釣りをするのか? という自嘲的な気分になってしまった。

で、納竿することにした。そういう気分になってしまってはもうダメだ。そこから自転車を止めてある場所までは1キロほどあった。遊歩道を歩く。早朝ウォーキングをする人とすれ違った。そろそろ朝なのだ。

5時過ぎ帰宅。風呂を沸かして入る。6時就寝。

10時過ぎに起きた。

キッチンへ行き、サツマイモをオーブントースターで焼いた。母は近所の友達と電話をしていた。

焼き芋を焼き、母と南葛西にあるお好み焼き屋の話をした。

2時、昼飯に余り物食材を使ってチャーハンを作って食べた。

Youtubeで、旧江戸川を中心にシーバス釣りをしているひとの動画を見た。昨年始めたばかりの人だが、こつこつと続けているらしく、最近も舞浜大橋の南側で釣ったらしい。昨日混雑して釣れなかったところだ。

自分の釣りを振り返ってみると、行き当たりばったりに通っていると思う。今年のシーバス釣りは9月に始めた。本格的に通うようになったのは今月だ。それも、潮回りではなく、自分の都合を優先している。

今朝切れたPEラインとリーダーをFGノットで結び直した。

4時に家を出る。門前仲町からバスでお台場へ。Zepp DiverCityのGLIM SPANKYライブへ。会場に入り客層をチェックする。おっさんばかりではなく若い子がちゃんといたのでホッとした。

セットリストは、昔の曲から新しい曲までのうちから満遍なく選んでいる感じだった。若い子を力づけるような曲が多いような気がした。高校生くらいの子達に、弾ける機会を与えるような音楽。そういう曲がたくさんある。

MCはレミさんより亀ちゃんの方がたくさん喋っていた。独特のヘラヘラ感がやたらにおかしく、軽音楽部のアホな先輩みたいだった。弾いている時も、自分に酔う要素がなく、「やべー、超楽しい」と思っている感じで弾いていた。それでいて、音がすこぶるカッコよかった。
レミさんは声が澄んでいた。高音もよく出ていた。喉を酷使するとむしろ声がかすれなくなると、twitterかなにかで発言していたことがあったように思うが、そのせいだろうかと思った。あるいはセットリストによるものか。

ロック以外の何物でもないロックを、ライブ以外の何物でもないライブで満喫した。8時過ぎ終演。

りんかい線で帰宅。9時半。レモンサワーを買って飲み、昨日買ったウイスキーの余りをワンドリンクでもらったジンジャーエールで割って飲んだ。

『タロー軒』が深夜営業を再開しているという情報をネットで見つけた。急に、ラーメンとミニカレーに会いたくなり、自転車を飛ばした。12時過ぎだったが店は営業していた。ダイソンの掃除機が何かを吸い込むような勢いで、ラーメンとミニカレーを飲んだ。

1時就寝。