ビートルズ『ゲット・バック』見終える

9時起き。

気温がどんどん低くなっている。最低気温が10度を下回るようになった。

昼の一番暖かい時間に走り、衣類の整理をして、依頼仕事や練習ごとをして…

…と、一日の計画を頭の中で立てたが、気力がなかった。日本シリーズボケだった。

昼前、ご飯、豚汁、かぶのぬか漬けを食べた。

昼過ぎ、ビートルズ『ゲット・バック』の第三話を見た。

第二話は、セッションがうまくいかず、締め切りも迫ってきて、ジョージがバンドを去り、全体的にやばいムードから始まった。そして、話し合った末にメンバー全員でもう一度やり直すことになり、ビリー・プレストンの参加で音が見違えるほど良くなったことで、全員ががぜんやる気を出すところまでが描かれていた。

第三話は、そのようにして曲を仕上げていってるけど、それをどうするか、という話し合いから始まる。このセッションはライブのためなのか、アルバムレコーディングのためなのか。

そもそも、テレビ放送用のライブをするという目的で始まったセッションだった。しかしテレビ放送は中止し、ドキュメンタリー映画にすることになった。映画としてはライブの絵が欲しい。しかしセッションは、現状、まるでアルバムを作っているみたいな感じになってきている。

屋上コンサートも、ジョージはそんなにやりたくなく、ポールもそうで、リンゴはやりたいと言い、ジョンもそうだった。

でもやることになった。練習時間がもっとあればとジョンが言った。

バンドの出す音は、第二話後半くらいからどんどん良くなっていた。同時に、新曲もすごいスピードで出来上がっていく。

録音は、トラックを分けた別取りではなく、ボーカルと演奏の同時録音、一発録りだ。

屋上コンサートをすると決まるまでが第三話の前半、コンサートそのものが後半だった。

ビートルズファンで『ルーフトップコンサート』を知らない者はいないが、演奏場面は映画『レット・イット・ビー』や、『ビートルズアンソロジー』などからしか見ることができなかった。
今回のドキュメンタリーでは、ライブに至るいきさつと、バンドの音がどんどん良くなっていくのを、視聴者は二話にわたって見ている。
ゆえに、ルーフトップコンサートの場面には、桁違いの臨場感があった。
そして思った。アルバム『レット・イット・ビー』って、ライブアルバムじゃん!!!

『!』をいくらでも付け足したいくらいの興奮があった。

屋上とはいえ、アンプをつないで町中で演奏したのだから、当然周囲の人は「なんだなんだ?」となる。警察にも苦情の電話がいく。おまわりさんもやってくる。
撮影スタッフは町の人々にインタビューする。「誰だかわかります?」「ビートルズでしょ」「どうですか?」「いいわね」などのやり取り。もちろん「彼らは嫌いだ」という人もいる。
演奏は続く。”One After 909″ が素晴らしい。何の変哲もない曲だけに、バンドのノリだけが魅力になっている。これぞライブという曲になっている。
「寒くてコードが押さえられない」とジョンが言う。警官がマル・エヴァンズと話す。マルは警官を屋上に案内する。アンプの電源が落とされる。でも、まだやりたいのか、ジョージはスイッチを入れ直して弾く。ポールも歌う。しかしそろそろおしまいの時間だ。絵は撮れた。警官も来た。みんな引き上げる。
メンバーは部屋に集まり反省会。その場にはライブの高揚感がある。いさかいではなく、出した音についての意見交換だけがある。
翌日、スタジオでやる曲の録音と撮影があり、プロジェクトは終了する。

三話とも、見応えしかなかった。

見終わると、虚脱状態に陥ってしまった。

個人的な見所を箇条書きにしてみる。

・バンドマンとしてのビートルズの様子
・不仲と言われてきたゲットバックセッション中での仲の良さ
・グリン・ジョンズの功績
・動いて喋るマル・エヴァンズ
・同じくディック・ジェイムス
・マジック・アレックスの出オチ的ヘンテコ楽器
・ジョンがアラン・クラインの印象をジョージに語る場面
・ジョージが作曲について昔ジョンがアドバイスしてくれたことを話す場面
・リンダの娘ヘザーがじゃれる映像
・ふざけるジョンに「やろう、ジョン、時間がないんだ」と言うポール

夜、オイルサーディンとトマトでリゾットを作って食べた。しかしレストランでリゾットを食べた経験があまりないので、自分の中に美味しいリゾット観がない。自分で作ると、ともすれば洋風おじやになりがちである。今日もそうだった。

9時過ぎ就寝。