悔しくて仕方ない

朝、餃子の残りを焼いて食べる。

9時半、走りに行く。走り始めてから3キロほどは、息が上がって苦しかった。

八幡山のキャスティングへ。
バチ抜けルアーコーナーがあった。品数は少なかった。
マニック、静ヘッド、ワームを買った。

井ノ頭通りのダイソーに寄り、ジグヘッドと毛糸を買った。

11時半過ぎ帰宅。走行距離は11キロ半だった。

午後、エクセルを使い、ドット絵でアグリーセーター用の型紙を作った。

3時、家を出る。ペットボトルに植え付けていた柿を持っていく。

4時過ぎ、実家へ。

夕食に、カレーピラフと唐揚げを作った。カレーピラフは冷凍ピラフにカレー粉をまぶしただけの簡易版。コクが足りなかった。唐揚げは土井善晴方式。ちょっと味つけが薄かった。

6時半、旧江戸川に向かう。
木曜日が大潮で、それから三日たった今日は、バチ抜け狙いにもっとも条件が良さそうだった。金曜は混んでいて場所が取れなかったらしい。土曜も同じようなものだったろう。
今日は日曜なので、さすがに夜は空いていると思っていたが、雷公園前の堤防には自転車がたくさん止まっていた。河原に降りるとアングラーが等間隔に場所をとって釣りをしていた。浦安橋まで歩いたが、入れる隙間はなかった。
雷公園前まで戻り、下流の、工事で進入禁止となっているエリアの手前、木が生えているポイントに陣取った。
木を挟んで下流に先客がいた。声から判断するに、若い男3人と連れの女一人だった。浮かれ騒いでいるような声が聞こえてきた。

風が強くて寒かった。シャツを二枚重ねて着ていたが、風によって指先がかじかむのはどうしようもなかった。
マニック、エリア10、静ヘッド、Sasuke SSの順に投げていると、下流の若者集団から「かかった」という声が聞こえた。シーバスがかかったらしい。

俄然、やる気が出てきた。シーバスはいる。

ところが。

それから先、投げても投げてもまったくアタリはなかった。
なのに、下流の若者軍団からは、シーバスがかかった時の騒ぐ声が、次から次へと聞こえてきた。

「かかった!」
「まじで? バラせバラせ!」
「うひょー、かかった、うまいねオレは」
「かかった。でけえ!」

わずか4、50メートル上流で釣っているオレは、かすりもしなかった。
どんどん惨めな気持ちになってきた。村のチンピラみたいに騒ぐあいつらがなぜ次から次に釣れるのか。そして、昨年から積み立てNISAにいそしむ公務員のように地道な努力をしてきたオレは、なぜまったく釣れないのか。

結論が出てしまった。つまり、どうしようもなく、人間失格レベルで、オレは釣りが下手くそだということだ。

8時40分に納竿した。背中に若者集団の「うひょー」という声を聞きながら、負け犬たちの敗者復活戦でも負けた『追い負け犬』の気持ちで自転車に乗り、実家に向かって漕いだ。獅子吼したかった。咆哮したかった。ジョジョでいえばディオの「無駄無駄!」連呼のように「なぜなぜ!」連呼をしたかった。夜の葛西を血圧160オーバーくらいにしながら自転車を走らせた。

9時前帰宅。明日は平日だけど、もう、スーパードライ飲んじゃった。ウイスキーも飲んじゃった。

悔しさを噛みしめつつ、彼らの釣り方を思い出す。
彼らは、オレがいた岸から40メートルくらい下流に陣取っていたのだが、ルアーはオレの眼の前に投げ入れていた。上流に向かってまっすぐ投げている感覚だろう。
そこへいくとオレは、アップクロスといっても、左斜め45度に投げていた。
彼らの投げ方だと、上流に投げたルアーを川下の自分のところへまっすぐ流してくるようになる。オレのだと、投げたルアーの糸ふけを取る感じで、沖を横に流していく感じになる。

たぶん、そのあたりに、釣れたり釣れなかったりする差があったのではなかろうか。

12時半、悔し寝する。