大盛り食って走って墓参り

7時半起き。朝飯にオールブランとオートミールと豆乳。

10時、久しぶりに稽古場へ。
本に追記された解釈はある意味自由に演じて良いということだと、原本を読みつつ確認した。

帰宅後、すぐジャージに着替える。
自転車で阿佐ヶ谷。JRで国分寺へ。

11時半過ぎ、『フジランチ』で昼飯。
10年ぶりに訪れた。デラックスセットとかいうメニューを頼み、ライスを大盛りにした。おばちゃんが、「当店の大盛りはこれくらいありますけど大丈夫ですか」と、持ったライスを見せながら聞いてきた。0.000001秒後に「大丈夫ッスよ」と答えた。

一昨日、西荻の『風神亭』が閉店していたことを知り、他に昔よく行った店は今でも営業しているのかを調べた。その一つが『フジランチ』だった。学生時代からお世話になった個人経営の洋食屋だ。Since 昭和のこういうお店は店主の年齢や後継者不在などの理由でいつなくなってしまうかわからないため、行きたいと思ったらなるべくすぐに行くようにしなくてはならないと思った。

ちょうど、春分の日の前に墓参りをするつもりでいた。墓はあきる野市にある。昨年のお盆は自転車で行った。今回はランニングで行ってみたかったが、家からだと35キロあるので少々しんどい。国分寺なら20キロとちょっとだからちょうどいい。ならば、『フジランチ』でメシ食ってから走るか、と思ったのだった。

デラックスランチは、昔はなかったのではないかと思う。というより、この店に来るといつもAランチを頼んでいた気がする。今はなき国分寺『赤城』で、なす肉豆腐定食を頼んだように。

デラックスランチは、ナツメグが効いたハンバーグ、チキンカツ、コロッケという組み合わせだった。ライス大盛りは鼻歌交じりで完食できた。昔の方が盛り方は容赦なかった気がする。目ん玉ひんむいて必死に食べた記憶がある。

次は上井草の『アストラーザ』に行かねえとなあ。ライスがオレを呼んでいる。

フジランチのすぐそばにある古本屋がまだあるのにびっくりした。オレが19歳の時からある。
「その頃日本のトップは総理じゃなくて将軍ですか?」
などと令和の若者に言われても仕方ない距離感の昔だ。

その古本屋では、夢枕獏『キマイラ』シリーズ、平井和正『真幻魔大戦』シリーズ、鴻上尚史『スワンソングが聞こえる場所』、『ビートルズ・ラブ・ユー・メイク』の下巻を買った。よく覚えてんなあ。

駅北口を歩いていると、通り沿いにも古本屋があった。入ってみた。長居したくなるような店だった。ありきたりなブックオフ的品揃えとは一線を画している。古本屋によく行く人ならわかるはずだ。

20分ほどそうやってお腹を休めてから、ゆっくり走り始めた。

恋ヶ窪から府中街道を北上し、五日市街道に入ってからはひたすら道に沿って西進するだけだった。

旅ランニングみたいに休み休み走るつもりだったが、気がつくと拝島の手前まできていた。公園があったのでトイレ休憩し、顔を洗った。正方形のベンチがあった。座ってみると、日差しをずっと浴びていたため、座面が暖かくなっていた。仰向けに寝転ぶと背中全体がじんわりと暖かくなって、たいそう気持ちよかった。

そのまま20分近く仮眠をとった。

起きて再び走る。ただ座って休むのと違い、仮眠をとると回復する体力の幅が大きい。昨年の旅ランで学んだことだ。

拝島から福生方面に走っていると、風が急に冷たくなった。北の空に雲が立ちこめていた。天気予報は夕方から雨と伝えていたような気がする。でも6時頃からだったはずだ。まだ大丈夫だろう。大丈夫だといいな。大丈夫でいてね。そう願いながら、福生駅から伸びる道を走り、多摩川を渡って、霊園への道を辿った。途中、スーパーで花を買った。

3時半頃に霊園到着。国分寺からの距離は22キロだった。

霊園に着くと天気は曇りとなり、小雨が降り始めていた。正門ではなく北側の入り口からうちの墓に向かったが、道を一つ間違えてしまい、丘をひと登りする遠回りコースを歩く羽目になった。

墓の掃除をし、花を供え、線香をつけ、シーバスが全然釣れないことを報告した。雨は小雨のままだったが、雨粒は少しずつ大きくなっているようだった。

北側からシャバの道に下り、霊園の正門に向かった。福生行きの最終バスが4時50分から出る予定だった。30分ほど時間があった。バスの中に入り、出発を待っていると、雨音がにわかに強くなってきた。

福生駅に着くと雨は本降りになっていた。ホームで電車を待っている時、とても寒かった。公園で仮眠をとった時の暖かさが嘘のようだった。

6時過ぎに阿佐ヶ谷へ。雨はやんでいなかった。雨雲レーダーで雲の動きを調べると、6時半過ぎにはやみそうだったので、紀ノ国屋で買い物をしながら間を持たせた。

韓国のビール、ノルウェーのビール、トリュフのポテトチップスなどを買って外に出た。しかし雨はしっかりと降り続いていた。

南口の書店『書楽』に入り、本を眺めて時間をつぶした。30分くらいして外に出てみたが、雨の勢いは変わっていなかった。「お前ら今夜はしっかり濡れろ」と雨雲が宣言したような降り方だった。

こうなったら濡れて帰ろうと思い、自転車を駐輪場から出し、ジャージのフードをかぶり、ゆっくりと走らせた。スピードを出さなかったので、寒さをそれほど感じずに済んだ。

8時帰宅。

トリュフポテトチップスを食べ、ビールを飲んだ。

1時就寝。