素晴らしい参鶏湯

夢の中に、高見知佳と、元中日ドラゴンズの井端選手が出てきた。なんだかもやっとした概念が、ダジャレっぽいつながりで高見知佳と井端の姿になり、夢の中で(なるほどー!)と強く納得したのだが、7時に起きた時、内容はまったく覚えていなかった。

井端はわかる。でも、なんで高見知佳?

朝飯に、ご飯、ソーセージ、目玉焼き、味噌汁。

食後、母が買った女性セブンをパラパラめくる。広告や記事などから、読者の年齢層が上がったことを察する。

8時過ぎ、実家を出る。

午前中、ストーン氏から来たメール依頼をこなす。お昼に大体完了。

昼、Loftで買い物し、『ぷん楽』で醤油ラーメン食べる。

午後、ヒマ。

『二つの祖国 上』読了。500ページを一気に読み終えた。
第二次大戦の日系二世アメリカ人を主人公にした物語。主人公の賢治は義務教育から大学までを日本の学校で過ごしたため、心情的には日本人だ。

この小説は大河ドラマ『山河燃ゆ』の原作となった。ネットで調べたところ、アメリカでは日系人の抗議を受けて放送中止に追い込まれたそうだ。日系二世の祖国は日本であるのが当然のように描かれていたことが原因の一つであるようだ。

景山民夫『極楽TV』にも、このドラマの批判が書かれている。二世役俳優の英語はなんだ、あんなの全然二世じゃない、頑張ってるのは沢田研二だけだ、彼が極東軍事裁判シーンでサングラスをかけてガムを噛んでいるのは良かった、云々、という内容だった。

でも、日曜の夜8時にNHKで、歴史的にほんとうのことを追求した内容のドラマを放送するのは困難ではないか。

日系人は強制収容所に入れられたのに、ドイツ系イタリア系移民はそうでなかったのは差別であるという批判がある。しかし1941年12月7日までドイツもイタリアもアメリカに対して戦闘行為は行わなかったし、敵でもなかった。ナチスはヨーロッパを蹂躙していたが、アメリカ国民にとっては対岸の火事という認識だったろう。
ところが日本は違う。太平洋を挟み、海軍が対峙する隣国であり、日本が国力を増大させることが直接的な脅威に感じられただろう。真珠湾より前から、アメリカ人は日本が敵になることについて、日本人はその逆について、心の準備ができていたということだろう。

小説の中で日系人が、アメリカ人として認められるため、というような言い回しをしているしているのが気になった。その発想が日本人的に感じられた。まるで、アメリカには移民をアメリカ人として認定する基準があり、審査官みたいな人がいるかのような考え方だと思った。ずばりそれって、お上、ってことだ。お上のお眼鏡にかなうような行動をすれば、アメリカ人として認められるのだろうか? そうではないだろう。お上なんかいねえんじゃねえの?

むしろ、作中で日系人が受けていた差別は、『怒りの葡萄』でカリフォルニアに移住したオクラホマの離農者が受けたものと、質的に似ていると思う。戦争と人種差別は本質に対する乗算要素であり、スパイスだ。

午後、山崎豊子のことを調べたりしながら時間をつぶす。

夕方、渋谷へ。
銀座線の渋谷駅が新しくなってから初めて降りた。旧ホームより明治通り側に移動していた。

上州屋へ行きルアーを見た。ブルーブルーの製品がいくつか、お一人様一個のシールつきで売られていた。

7時、鬼亭へ。
以前の仕事仲間との、久しぶりの飲み会に参加した。

予約してくれたTさんと、K兄さんが先に来ていた。すぐ、K弟くんも到着。四人での飲み会となった。

まず、鶏肉のあれこれを網で焼いて食べた。
ハツ、ささみ、レバー、ハラミ、ちょっとだけ焼いてすぐ食べるやつ、しっかり焼いてバターをつけて食べるやつ、焼いてから特製マヨネーズにつけて少し焼き直して食べるやつ、などなど。
それぞれの焼き方と食べ方を、店のおばさまが説明してくれた。渋谷なのに柴又みたいな雰囲気だった。

料理のメインイベントは参鶏湯だった。寸胴鍋で仕込んだ鶏とスープが、鍋に入った状態で卓に運ばれる。おじさまがスパイス、薬味、米などを入れて鶏をさばく。さばくのにもちいられたのは刃物ではなく菜箸。箸で切れるほど柔らかくなっているのだった。

参鶏湯はそれはもう絶品だった。感想はシンプル。「あーっ!」

K兄さんはフリーランスになったとのこと。髪を少し伸ばし、健康そうに見えた。
Tさんは、昨年秋にツール作成の打ち合わせをした時に話していた買い物を首尾良く済ませ、心地よく順応する日々を送っているとのこと。
K弟くんもまた、大きな買い物をし、最近の仕事はリモートワークになっているという。

K兄さんは先に帰り、残った三人で参鶏湯を平らげた。

昨年やった旅ランの話をすると、Tさんがウケていた。
「ボクもやりたいっす」とK弟くんが言った。

10時過ぎに店を出た。
渋谷まで歩き、改札でTさんと別れ、K弟くんと中野まで一緒に帰った。
駅前で、吐き出したかったモヤモヤを聞いた。それに答え、うんうんとうなずいたりするうちに、駐輪場が閉まる時刻が迫ってきたので、一緒に駐輪場まで行き自転車を出し、駅まで戻り、そこで別れた。

11時半帰宅。いい気分だった。

中日はヤクルトに10ー0で負けた。初回いきなり村上に満塁ホームランを打たれた。

K弟くんから誕生日プレゼントにルアーをもらった。サイレントアサシンの80Sで、カラーはレッドヘッドだった。

1時過ぎ就寝。