4時起き。夕べはよく眠れず、夜中に何度も起きた。眠かったが、始発に乗るため、4時半過ぎに家を出る。外はまだ暗かった。
始発で、京急の大大鳥居へ。外は明るくなっていた。道沿いを歩き、ラーメンショップへ。5人ほど並んでいた。10分ほどで店内へ。中ネギチャーシュー麺を食べた。この店はラーメンショップの1号店らしい。スープの感じは、今で食べたラーメンショップの、どの店とも似ておらず、スープは豚骨醤油の醤油割合が少なくあっさりしていた。


穴守稲荷から羽田空港へ。能登行きの便は強風のため羽田に戻る可能性があるらしかったが、とにかく発券し保安検査を済ませた。
8時55分の便で能登へ。1時間で到着。着陸時、確かに揺れたが、大きい揺れではなく細かい揺れがひっきりなしに起きるという感じだった。
空港外でバスを待つ。道路にひび割れがあった。地震によるものだろう。

バスで穴水駅へ。着いてすぐきっぷを買った。駅の時刻表とネットの時刻表が少し違っていて、さらに、臨時列車の時刻もあるようで、駅に止まっていた列車が先に出発するのに気付けなかった。
11時過ぎの列車に乗り、12時に能登中島へ。線路沿いを北に歩き、道沿いの割烹『お富』に入る。混んでいたが、カウンターに座れた。
牡蠣フライ定食を食べた。牡蠣フライはそれほど大きくなかったが、旨味を含んだ汁気がたっぷりで、大変美味しかった。

1キロほど歩いて能登演劇堂へ。1時20分頃到着。水田が広がる景色の向こう、里山を背後に控えたところにあった。発券したチケットの座席番号を見ると、最前列のど真ん中だった。



2時『まつとおね』観劇。
衣装と舞台美術が、具象と抽象になっており、ちぐはぐな印象を受けた。全体をどちらに統一していなかった結果、衣装が浮いていた。
衣装デザインは、大河ドラマで16世紀から17世紀の着物衣装を用意したらこうなるだろうという感じだったが、テレビ的リアリズムをそのまま舞台の上に乗せても、見ている方は「リアルだなあ」とは思えない。かえって作り物感が際立ってしまう。また、床面はパンチそのもので、ケーブル類やバミリが見えまくっていたし、その上に戦国時代の衣装を着た女性が立って芝居をするのは、見え方としてやはり珍妙だった。では、床面を、土、ゴザ、畳などの質感にしたら優れた舞台になるかというと、必ずしもそうは思えない。その分、衣装の作り物感がさらに際立ってしまいそうだ。いっそ、衣装はポスターとチラシ用にして、具象はそちらに集中し、舞台は別の衣装にすれば良かった。
物語は、秀吉が天下を取った時代から徳川の時代までを、前田利家の正室・まつと、秀吉の正室・おねの二人が、詠嘆調で女子トークをするという感じのものだった。秀吉と利家の関係が良好ゆえに、その妻同士も親しくしていたろうという史実延長推測をもとに、女の二人芝居にするにはもってこいの知名度である二人で、フィクションをこしらえたというところだろう。
前半は二人とも若く、のどかな感じの場面が続いたが、大阪夏の陣のあと、豊臣が滅びてからの展開は面白かった。まつが、尼になったおねに会いに行くと、おねは徳川への恨みで闇落ちしていた。そこでまつは、自分も夫や息子を亡くした悲しみがあることを訴える。ここの吉岡里帆は熱演で、情感がほとばしるさまを、最前列で間近に見ることができた。
まつの真情にほだされ、おねは闇から抜け出す。次の場面は二人ともおばあちゃんになっており、達観した感じで信長から徳川への時代について振り返った。おばあちゃんの二人が尼僧姿でちんまり座っていると、鏡餅みたいだった。
1時間半ほどで終演。劇場を出て、一眼レフで写真を撮りながら、能登中島駅に向かった。
4時半頃の電車で和倉温泉へ。5時に着いた。
温泉街まで2キロちょっと歩き、『あうん』というお好み焼き店に入り、夕食にイカ玉のお好み焼きを食べ、ビールを飲んだ。メニューには、刺身などもあった。自家製イカの塩辛が気になったので、ハイボールと一緒に頼んだ。イカは大きめにカットされており、麹で漬け込まれていて美味だった。塩は少なめだった。


店を出て、スーパーで追い飲みのハイボールとワンカップを買い、『和』というたこ焼き店でネギのせたこ焼きを買った。
7時過ぎに宿へ。温泉に入り、部屋でたこ焼きをつまみながら飲み直し、明日の予定を考えた。
明日は、夜8時40分過ぎの新幹線で富山から帰る予定だった。ゆっくりと観光しながら富山に向かえばよい。
当初は、昼まで和倉温泉をうろちょろしてから富山に向かい、途中、どこか気になったところで降りて観光し、夕食は富山で食べるか飲むかするつもりだった。しかし、富山に向かう途中、特に立ち寄りたいと思える駅がなかった。
ならば、いったん金沢に移動し、そこで夕方まで観光してから富山に向かうのは同化と思った。時刻表を見ると、金沢から富山へは1時間で着くらしく、電車の本数も多かった。
金沢駅に、ものすごく人気のある回転寿司があるという情報を得た。11時開店だが、受付は10時からしているらしい。和倉温泉から金沢への時刻表を調べると、7時48分の列車に乗れば、9時50分に金沢に到着する。これだ。さすがち、10時に整理券をもらえば、長時間待つことはないだろう。食べ終わったら兼六園などで観光し、夕方富山に移動すればいい。
予定が決まったあたりで酒もなくなったので、ベッドに入り明かりを消した。