メタル談義

疑似ファスティング二日目。
とはいえ野菜ジュースはたっぷり飲み、海藻と豆腐を摂取しているので、厳密には全然断食じゃない。
それでも体の中をいったん空っぽにする感覚はある。

お盆明けで周りの仕事は忙しくなりつつあるが、自分の周りはそれほどでもない。
というよりも、頼まれ仕事が中心なので、頼まれない状態にあるのは、自分に何か問題があるんじゃないかと、過去数年で何度も陥ったのと同じ疑心暗鬼に駆られる。
そんな疑心暗鬼、芝居の準備に比べればどうということはないのだが。

仕事後、まっすぐ荻窪へ。
やたらに蒸し暑かった。
南口で次回公演に出演する柳瀬君と会う。
いつも出てもらっている宇宙キャンパスの柳瀬君では亡く、UDATSUの柳瀬君。
安見君に紹介してもらった。

安見君が付き添いで来てくれていた。
顔つなぎということだろう。
三人で、南口の中華料理屋に行く。
居酒屋使いも出来る安い店で、素朴な女の子がチャイナドレス姿で給仕をしてくれた。
安見君、彼女がメニューを持ってきてくれる度に凝視して、
「胸元やばいっすよ」
とつぶやく。
あまりの凝視っぷりに思わず、
「金属探知機か」
と突っ込むハメになった。

柳瀬君は元々バンドマンで、ギターをやっていたらしい。
好きな音楽はメタル系一筋で、残念なことに自分はあまり知識がなかった。
それでも知っているミュージシャンの名前を挙げては、ああ、おお、と話は盛り上がった。
初対面でそういう風に話す場を作れれば、自分としては「まずはこれでよし」となる。
音楽の話をしている最中、安見君はきょとんとしていたが。

安見君はバイトで先に帰り、その後30分ほど柳瀬君と話し、一緒に店を出る。
家が近所なので帰る方向も一緒だった。
「バイトは?」
と聞くと、これも知っている店だった。

9時過ぎ帰宅。
昨日今日、そして明日と、人と会って話す日が続く。
6月にマグ不足が終わって、いったい何回人と会って来ただろう。
過去最高の延べ日数であることは間違いない。