「第二ゾーンへ」稽古初日

 台本のコピーを人数分入れたリュックは重かった。
 稽古初日にしてはかなりの量のテキストだから、それを人数分そろえるとなると、コピーや印刷作業だけでぐったりする。
 雨の中、中野鍋横商店街を歩き、途中のドラッグストアでタウリン3000ミリグラムを謳った栄養ドリンクを買って飲んだ。

 6時半頃南中野センターに着いた。
 カレーパンを食べてコーヒーを飲み、全員がそろうのを待った。

 先にキャスト発表をした。
 いつもは稽古開始から一週間以上かけてキャスティングするのに、今回は異例のことだ。
 「とりあえず読んでみてください」
 そういって台本を皆に渡した。
 あたりまえのことだがその間は部屋の中が静かになった。
 手持ち無沙汰だった。
 早めに読み終えた望月と小声で話をする。

 その後の本読みで時間をはかったところ、大体一ページ1分弱に収まった。
 しかし立ってやるとなるとそうもいかないだろう。
 おそらく現在の段階で50分以上ある。それは間違いない。
 「削っていきますので」
 と言っておいたが、どこをどう削っていくのかは稽古しながらの方がいいだろう。

 小休止後、細かい指示を出しながらもう一度本読みをする。
 役の設定は随分練り上げてあるので、それを伝えながらやったら、喋りすぎて喉が痛くなった。

 9時に稽古終了。
 自分の台本で稽古をするのは久しぶりだった。
 そのためについ饒舌になってしまい、必要以上に疲れた。

 マクドナルドでビッグマックセットを食べてから帰宅。
 制作に関するメールや電話などをしていたらあっというまに12時を過ぎた。